2003年10月15日(水) |
そんなことあるわけないとか思いつつ |
歌った。 笑った。 笑い転げた。 久しぶりの、本当に久しぶりの、こんな時間。 寺島と付き合っていたときにまとわりついていた、罪悪感が。 すっかり無くなった今を、哀しいとも思わずに。 あたしは心底楽しんだ。
竜崎君が得意のポルノグラフィティを歌うなか、 うたぼんを指差して、宮島が口をパクパクさせている。 「何?わかんないよ!」 伴奏を待って、やっと聞こえるくらいの音量になった。 「『タッチ』!歌うよ」 「歌ったら?」 「一緒に歌おうよ」 あたしが、あたしの時間が止まるほどときめいたことに。 彼は、気づいただろうか?
♪すれちがいや まわり道を あと何回 過ぎれば 2人はふれあうの?♪ 2人って誰と誰のことだと思えばいい? 宮島とか、思ってていい? 中学の卒業間際、寺島ほどではなかったけど、 宮島に惹かれていた頃を思い出した。 …懐かしいな。
「じゃあまたねぇ♪自転車ありがと♪」 「おう。じゃあなぁ」 竜崎君と宮島と別れた後、市丸と帰りながら、 宮島の優しさを、2人で語った。 「絶対好きだよ」 って言う市丸を笑って、 そんなことあるわけないとか思いつつも、 つい口をつく『タッチ』のメロディーを、 あたしは止められずにいたのだった。
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