under one umbrella

2003年08月15日(金) 「愛してるから、じたばたしないのよ」

『「愛してるから、じたばたしないのよ」
「愛してるから?」
「じたばたするのが、愛じゃないのよ。
私ね、あなたのこと愛してた。今でも愛してる。
これからも、きっと死ぬまで愛し続ける。」
僕は、隣の女の話を黙って聞いていた。
君も、黙って聞いているのがわかった。
「精一杯愛してるから、別れようって言われてもね、悔いがないの。
もっと愛しておけばよかったって、思わない。
もう、これ以上、あなたのこと愛せないっていうくらい、愛してるから。」』
             (読売新聞社刊 中谷彰宏著『恋愛日記』 <隣の別れ話>)


私は、泣きました。
寺島の名前を呼びながら、泣きました。
初めてこの話を読んだときにはわからなかったことが、
今なら、涙が出るくらいわかります。

私は、この隣の彼女みたいに、寺島を愛してあげることが出来なかった。
寺島の気持ちを理解してやれなかった。
あんなに悪あがきして。寺島を傷つけ続けて。
愛なんて、どこにもなかった。

それなのにどうして私は。寺島の傍にいられるんだろう。
そう思うと、涙が溢れて、止まらなくて、どうしようもなくて。
なんて幸せなんだろうって、思いました。
これからはちゃんと、寺島を愛していくんだって、思いました。
もう2度と。自らひだまりを出たりはしません。




「寺島って、話題性ないよね」
男友達にそう言われて、否定出来なかった。
だけど、寺島を思うだけで私は笑顔になれた。
「そうね。そんなところが好きなの。」
友達は何も言わなかった。
もしかしたら、降り頻る雨の音にかき消されたのかも知れない。


今週はお盆だから、きっと来ない。
メールも勿論ない。
だけど信じられる。
不思議と安心してる。
愛の力かな、なんて一人で笑ったりする。
こんなにも強くなれるって、すごいね。
すごいね、陽ちゃん。
これからも、よろしく。


***

中谷先生の本。
良い本ばかりです。感動します。
私はすっかり、先生の恋愛小説のとりこです。
『恋愛〜』シリーズは短編集なので、是非一度読まれてみてください。


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