under one umbrella

2003年06月30日(月) 認めざるを得なかった。



寺島に、思っていたこと全てを話した。
彼女のことが気にかかることも、未来に不安があることも。
その他あたしのなかにあったドロドロ全部。


独りで空回りしてるような気がするだとか。
証が欲しいだとか。言葉が欲しいだとか。
このまま寺島を想い続けていてイイのか、とか。
とにかくあたしは、今の関係の未来が怖くて。拠りどころが欲しくて。



寺島はまた、「好きだ」と言ってくれた。
あんなに複雑に悩んでいたくせに、その一言だけで、死ぬほど安心したのは確かだった。
結局あたしは、寺島に愛されたいだけで。
素直にそう言えなくて、ぐちゃぐちゃと言葉を並べていただけなのかもしれないと、今は思う。


あたしは変わった、と思ってた。
少なくとも寺島への気持ちが、前と大分違う、と。
量の問題だったり、質の問題だったりするのだけど。
でも根本的なところは変わってなかった。
あたしは、いつでも「寺島に」愛されていたかった。


ただ愛されたいだけなら、この間、
「冒険(浮気)しよう?」などと言って近づいてきた、馬鹿な同級生でもよかった。
嫌いじゃなかったし(そのセリフで嫌いになったけど)。
寺島よりも多く一緒にいる、話し易い男友達に恋してもよかった。
そっちのほうがよっぽど、楽なのに(それなりの苦労があるにせよ)


あたしはどうあったって、寺島を選んでる。
どんなに傷ついても、寺島に癒されてる。
それはもうどうしようもない、真実。


あの6月6日の、次の日の朝。
鏡を見たあたしは、自分をキレイだと思ってしまった。
認めざるを得なかった。
寺島の言葉だけで、こんなになってしまう自分は悲しかったけど、
死ぬほど幸せだった。
あたしは恋をしてるんだと、実感した。
それをまた、感じてる。


相変わらず、「恋人」ではない。
だけど付き合っていた頃よりも、自然に手をつなぐようになった。
前は気恥ずかしくて、言葉やきっかけがないとつなげなかったものだった。
今は、ふっと気づくといつのまにかつないでいる。


5月のあの日から、いろいろなものを失ったけれど、
新しく手に入れたものが、少しずつ増えてきている。
つなぐことが自然になったことも、そのヒトツ。
それを大事にしていかなきゃと、最近思えるようになった。


まだまだ安心できるような状態じゃなくて。
大きな大きな山の、険しい道を登っているような感覚で。
しんどくて、時々下りてしまいたいけれど。
少し先を、寺島が歩いているのが見えるから。
どうしてもついていきたい。


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