under one umbrella

2003年06月11日(水) 平和



次の日、ずっと考えていた。


どうしてキスなんかしちゃったんだろう。
これ以上、あの人を束縛していてはいけない。
もう、昨日みたいなことをしてはいけない。
いいかげんにさよならをしなきゃ。
恋人のあの人は失ったけど、友達のあの人がいるなら十分。
自分でも不思議なくらい、自然にそう思えた。
思えるうちに、伝えておこうと思った。


本当なら、2週間前にそうするべきで。
原因は明白なんだから、悪あがきなんて、しちゃいけなかった。
おかげで余計にこじれて。お互い傷ついて。
これ以上悪くはなりたくないから。傷つけたくないから。
でもまた会ったら、あたしはきっと、失うことがまた怖くなる。
だからメールで。
ちょっと、長くなってしまうけど。


そんな想いをこめたメールは、正常に送信された。
涙は止まらなかったけど、どうしようもできない程じゃなくて。
残った思い出で。十分生きていけるような気がした。
その後のやり取りも、至って平和で。
あたしはだんだん、本当に少しずつだけど、元気になり始めた。



あたしにとって、彼との関係が平和であるということは、かなりの影響力があるらしい。
それは、恋人であったときは勿論だけれど、
その前の友達5年間でも、そうであった気がする。
どうあろうとも、あたしには彼が必要らしかった。


そう気づいたとき、「恋人」という言葉に執着していた自分が馬鹿らしくなった。
「恋人」じゃなくてもいいんだ。
あたしの世界に彼が存在するように、
彼の世界にあたしが存在しているのならそれでいい。


ああこんな、穏やかな気持ちは久しぶり。




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ごくごく一部の、意味だけど。




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