風太郎ワールド
2003年05月20日(火) |
やればできるもんだ、ダイエット |
1キロ5分を切ったぞ!先週天気の良い日に、4キロを19分で走った。よしよし。次の目標は18分だ。順調に体力は回復している。
以前ライバルは10代だと書いた。もっと正確に言えば、16才の時の自分だ。知識や経験では圧勝だが体力でも負けたくない。ほんとに負けず嫌いだね ^^;
数年前長いブランクを経て日本に戻ってみると、仕事と家庭で忙しい同年代の友人・知人たちは、一部の例外を除いて、大学時代と比べると見る影もなく変形・変貌してしまっていた。
そんな友人の一人がK君。身長1メートル62センチで体重は80キロ近く。ウエストは85センチを超え、太っているというより膨らんでいるという表現が正しいような状態。
一方、学生時代スポーツではアベレージに過ぎなかった私は、アメリカで10数年間鍛えぬいて見事なアスリートに変貌していた。
帰国したばかりの頃K君を誘ってジムに行ったが、まったくこちらのペースについて来られない。泳いでも25メートルでへばっている。こちらの半分もベンチプレスを上げられない。見るも悲しい中年体型だった。
ところが、このK君。最近大変身を遂げた。ほんの数ヶ月で20キロも痩せたのだ。ウエストも15センチ以上細くなり、所有するズボンはすべてぶかぶかで穿けなくなったという。以前は、太すぎて穿けるズボンが少なかったのに‥‥。
ダイエットを敢行したらしい。話を聞くと、グレープフルーツジュースで痩せたという。黒酢もカロリーが低く繊維分が多くて効果的だというので、薦められたタマノイの「はちみつ黒酢」を飲んでみると、これがおいしくて私もファンになってしまった。
食生活の改善だけではなく、ウォーキングも始めたという。それも半端じゃない。毎日3キロのウエイトを左右の足首に巻いて会社に行く。ちなみに3キロより重いアンクル・ウエイトは売っていないらしい。通勤電車は一つ遠い駅まで歩く。休日は2〜3時間、手首にも2キロずつのウエイトを巻いて歩く。ウォーキングというより鍛錬だ。
器具を使って体を鍛えると聞いて、
を思い出した。
我々の世代は、ちゃぶ台をひっくり返す親父に感動し、漫画で死亡したボクサーのお葬式を上げ、奇声を上げてヌンチャクを振り回した。自分を鍛えぬく男に対する憧れは非常に強い。高校時代友人の一人は一日中鉄のゲタを履き、通販で取り寄せたエキスパンダーのような器具を服の下に装着していたものだ。
さて、最近肉体改造を始めたK君。体脂肪率も瞬く間に15%近くまで落ちた。完璧な体だ。これで、少しやせ気味の胸に筋肉を乗せれば文句のつけようがない。
実は、K君の驚異的なダイエット結果を聞いた時、それほど驚かなかった。彼ならやりかねない。何かに熱中すると過激に突き進む男だ。学生時代、丸一ヶ月間タダでもらってくるパンの耳だけをかじってお金を貯め、念願のステレオを買った。
それに、もともと高校時代は水泳部でならしたスポーツマン。クロールが苦手な私に大学時代水泳指導してくれたのが彼だった。必死で泳ぐ私の横をバタ足で追い抜きながら「犬かき?」と憎たらしいことを言う。
そう言えば、私にジャズの聴き方を教えてくれたのも彼だった。タバコの煙がたちこめる暗いジャズ喫茶に何時間も籠もり、ふたりで一心にジャズを聴いた。ジャズとはこういうものだと言って最初にくれたテープがケニー・バレル。最高の選択だった。
さらに思い起こせば、いっしょにダンパ巡りをしている頃、いつもミラーボール真下の目立つところで、得意げに見事なステップを披露していたのも彼だった。私は、動きが堅いとかいって指導された。
そんなシャープなかつての青年が、20数年間の会社勤めと3人の子供を持つ父親としての責任で忙殺されているうちに、いつしかぼてぼての中年男に変貌する。ところが、ある日突然、奇跡の復活。
最近ラブハンドルが気になり始めた私は、体脂肪率では既に追い抜かれてしまった。腹回りも、今や70センチを切った彼に軍配が上がる。やばい。
し、しかし、最近走っていないK君。どうだ。4キロ19分では走れないだろう。はっはっは。これだけは俺の勝ちだな。今のところは‥‥。
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