風太郎ワールド


2003年04月15日(火) ユウトウセイビョウ


重症急性呼吸器症候群、通称サーズ(SARS)が、アジアをそして世界を震え上がらせている。幸い日本ではまだ発症例はないが、上陸も時間の問題だろう。

最近、新種の伝染病が増えているようだ。また、結核などのように、すでに撲滅に近い状態にあった病気も、元気に復活している。

実は、それほどメディアで騒がれてはいないが、もっと広く深く、以前から社会に蔓延している「病気」もある。

*    *    *

そんなひとつが、「ユウトウセイビョウ」。

必ずしも遺伝病ではないが、しばしば母子感染する。

知らず知らず感染している。いつから感染したのか分からないことが多いが、注意深く調べてみると、非常に幼い頃から始まっている。

大人のいうことをよく聞く、ませた子供は要注意。母親の喜ぶ顔、悲しむ顔に一喜一憂するようになると、相当進行している。

慢性状態では、先生の褒め言葉がないと禁断症状があらわれ、極度の不安に襲われる。

周りから


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という薬が大量投与され、最初は快感を与えるものの、段々、重荷という副作用が強くなり、最悪の場合、精神を病むこともある。

先生はじめ周りの人、特に母親を失望させることが一番痛みを伴う。

先生に当てられて答えられないと、胸に激痛が生じる。テストで零点でも取ろうものなら、屈辱のあまり死に到ることもある。

大人になると、病原が深く潜伏して症状が複雑になり、表面的には病気の存在が分からない。

本人は病気だと気付かないことが多く、原因不明の苦痛に苛まれる。治療が手遅れになるケースもある。

成人してからの感染はほとんどない。男女ともに感染する可能性があるが、患者は比較的女性に多い。

男性の場合、症例が比較的少ないのは、クラブやサークル、会社などの集団生活を通じて、抗体が形成されることが多いからかもしれない。

しかし、不幸にも免疫が出来ないまま成長して、社会不適応を起こしてしまい、幼少年期の思い出だけに生きている男もいる。

東アジアの儒教国家によく見かける病気。日本には特に多い。

最近は、環境の悪化とともに、ユウトウセイビョウの発生も減少しているという報告もあるようだが。


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