風太郎ワールド


2003年03月19日(水) 熱い戦い

ニシタマオ氏を巡る戦いが、あつい。

「ややっ?タマちゃんを捕獲しようとしているぞ!何をしているんだ、バカヤロー!」
タマちゃんを見守る会のメンバーが罵る。

「このままじゃ衰弱して死んでしまうかもしれないんですよ。可哀想じゃないですか?」
タマちゃんを思う会のメンバーが応戦する。

「でも、タマちゃんはあんなに栄養状態が良いじゃないか、バカヤロー!」
――見守る会。

「アゴヒゲアザラシは、集団で生活するので、単独でいるのは自然じゃない。自然に帰してあげるべきだ」
――思う会。

「タマちゃんは、ここが気に入っているんじゃないか。勝手に連れて行くなんて、ひどいじゃないか。バカヤロー!」

それを無視して、見守る会がエサを与える。

「オイ、勝手にエサをやるな、バカヤロー!」

「エサをやるのは法律違反じゃないですから」
無視して、続ける、動物愛護団体のメンバー。

「やめてください」
実力行使で止めにはいる、お役人。

いやはや、アゴヒゲアザラシごときで、なんでこんなに騒ぐのかといいながら、こっそり面白がっているのは、私ひとりだけではあるまい。

それにしても、もし「真実」がたった一つであれば、世の中争いも少なく、「バカヤロー」の連呼もなくなるだろうに。

単純に考えればそう思うのだが、実際には、全く同じ事実を目の前にしても、立場変われば、見方も変わる。

*    *    *

今、世界では、これと似たような議論が繰り広げられている。いや、もう議論は終わったのかもしれない。戦争は、既定事項。秒読み段階へ入ったようだ。

イラク vs アメリカ。

アメリカが主張するように、イラクのフセイン政権が、国連の決議に違反しつづけているのは事実だ。きっと大量破壊兵器も持っているだろう。クルド人も虐殺した。クウェートにも侵略した。テロとも何らかの繋がりがあるだろう。



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という疑問は消えない。

イスラム世界から聞こえてくる不満に頷くことも多い。アメリカはイスラエルに味方し、パレスチナはじめイスラム諸国に対して不公平だ。そもそもイラクに大量の武器を与え、オサマ・ビンラディンに軍事訓練を与えたのは、アメリカだ。アメリカ流「正義」、アメリカ流「民主主義」、アメリカ流「ビジネス」を押しつけて、イスラムに対して十分な敬意を払っていない。

同じ事実を積み上げても、そこから出てくる結論がまったく違う。議論が噛み合わない。お互いに相手の主張が間違っていると思っている。正義は自分の側にあると信じている。

何故、こういうことがしばしば起こるのか?


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