風太郎ワールド
脱ダム宣言、そして議会との対立で有名になった、長野県知事二期目の田中康夫氏。今や政治家としての風格さえ感じられる。
そんな彼が、脚注満載のカタログ小説「なんとなくクリスタル」で芥川賞を受賞し、「クリスタル族」が一世を風靡したのは、1980年。まだ一橋の大学生だった。
翌年、彼は大学を卒業して、モービル石油に入社する。
当時、私の知り合いの日本人留学生に、たまたまモービル石油の社員がいて、社内誌を見せてくれた。新入社員紹介のページが掲載されている。そこには神妙な面持ちの田中氏の顔写真もあった。そしてその下に、入社の抱負が述べられている。
20年以上経っても、忘れもしない、
彼は、2ヶ月ほどして会社を辞めた。
その後の彼は、短い結婚生活の実態を元妻に暴露され、女の子に弄ばれるやんちゃなキャラクターでテレビ・雑誌に登場し、スッチー達とのエッチ生活を詳細に記した「ペログリ日記」で独自のポジションを築く。
そして、阪神大震災でのボランティアをきっかけに、市民派活動家として台頭して、その勢いのまま長野県知事になったのは、ご存知の通り。
人は変わるもんですね。彼の人生にもたくさんの脚注が必要かも。
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