風太郎ワールド
16才の頃、もう年をとり過ぎたと感じていた。
12才の若さに満ちた自分が、懐かしかった。
純粋な恋愛をできるのは15才までだ。 それを過ぎると、打算が入ってくる。
そう書いたのは、愛読していたヘッセだったろうか。 (記憶がおぼろげ。誰か知っている人、教えて)
だから、自分はもうすっかり汚れて、 醜い人間だと悲観していた。
多感も、ドを越せば、単なるアホーだ、 といういい例だろう。
しかして、今 あの感受性のかたまりだった思春期から、何十年が過ぎた。
光陰矢のごとし。 少年老い易く、学なり難し。
そろそろ還暦も過ぎようとしている‥‥
て、いくらなんでも、それはちょっと大げさか ^^;;
さて、それほど身も心も世間に揉まれ、 汚れつちまった、かつての少年だが‥‥
一向に進歩しとらへんのよ〜、16才から。
っていうセリフが口から漏れ、ハッと驚く。自分が怖い。
まだ、大人になっていなかったのか。 この老ピーターパン!
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