NORI-☆
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レパートリー
ママという仕事に歌は必須だ。 赤ちゃんに歌って聞かせる子守唄から、 幼児と一緒に歌う童謡や手遊び歌、 「パジャマでおじゃま」とか「はみがき上手かな」 みたいな、しつけを兼ねた日常動作を促す歌… 子供と一緒の毎日は歌とともにあると言っても過言ではない。 ところで、子守唄、というのは 必ずしも既存の「子守唄」である必要はなく、 要するに、子供が歌ってもらって心地よい歌であれば 曲目が何であってもかまわないのである。 もっと言えば、泣き止まない赤ちゃんを抱っこして どうしたらいいの?という気分のときに、 ママが自分自身を励ますために歌う、 あるいは疲れを紛らわすために歌う、 という効果もあるわけだから、 結局ママが好きな歌を歌っていいのである。 下手に伝統的な「○○の子守唄」を歌おうとすると、 歌詞が思い出せなかったりしてストレスになる。 もちろん既存の子守唄は、それなりにメロディがきれいなので 歌えればそれに越したことはないけど。 要はママ本人がラクに楽しく歌える歌で、 歌いかけられる子供が嫌いじゃなければ何でもいいのである。 しかし、この単純な理屈が未経験者にはあまり知られていなくて、 母親になるにあたって、「どうしよう?子守唄なんか知らない〜」 と悩む人がいるというのは、けっこう今様な話である。 というわけで、私の子守唄のラインナップはといえば… 比較的童謡や唱歌の類はたくさん知っている方だし、 「おかあさんといっしょ」のCDから覚えた楽しい歌も たくさん歌える。サトシと一緒に歌うのはそういう歌。 でも…… 実は一番ありがちなのが、懐かしのアニメソングだったりする。 子守唄にはけっこうアニメのエンディングテーマが似合う。 (と勝手に思っている。でも、エンディングには スローテンポできれいなメロディの曲が多いのは事実) 2000年生まれのヨシキを抱いて、 「真っ赤なスカーフ」とか「コスモスに君と」とか「ポプラ通りの家」とか 「青い地球」といった(ってみんなSFアニメだなぁ…) 70年代のアニメソングを歌っているのであった。 そうこうするうちに、だんだんノッてきて、 とても子守唄向きとは言えないオープニングテーマまで レパートリーが広がってしまい、家事をしながら 「おれはグレートマジンガー」とか「ガッチャマンの歌」とかを 大声で歌ってストレス解消したりするようになる。 こうなると、もう本来の「子守唄」としての歌ではなく、 歌うための歌、あるいは懐かしい記憶を手繰るための歌 になってしまい、たとえばカルピス子供劇場の歴代作品の オープニングを次々歌ったり、一連のロボットアニメシリーズの 順番はどうだったっけ?と思い出しながら歌ったりして、 すっかり子供時代にタイムスリップしていたりする。 いろいろ歌っているうちに、 「ああ、こういう気分の時にはこの歌が合うなぁ…」 みたいな“定番“がいくつかできてくるのだが、 この「気分」というやつはけっこうアブナイものがある。 いつだったか、お月さまがとてもきれいな晩、 ヨシキを抱いて外廊下に出た。 「ほら、よしくん、きれいなお月様ねぇ…」 黄色い真ん丸いお月様を眺めているうち、 抱っこの手がなんとなくゆっくりした4拍子をとり始め、 ふと気がつくと、自分の口から低い歌声が流れていた。 「サンドバッグに〜 浮かんで〜消え〜た〜♪」 別に、お月様に誰かの顔がオーバーラップして 「叩け 叩け 叩け!」 という気分になったわけではないのだけれど……(^^;) きっと「おいらにゃ 獣の 血が騒ぐ〜♪」 というフレーズが、月と呼応したに違いない(?)。 妙な連想で子守唄にあるまじき歌を選曲してしまった自分を ちょっと恥じつつも、でも、せっかく歌いだしたんだから…と 小さな声でフルコーラス歌い終えてから家に入った。 ♪明日は どっちだ〜
2001年06月05日(火)
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