NORI-☆
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窮乏生活
2週間前に友人の結婚式に出たとき、 小さなパーティバッグに入れるため、 愛用の「主婦財布」をスリムなお財布に持ち替えた。 そのとき限りと思ったので、 カード類は美容院の支払用に1枚入れただけで、 後はすべて元のお財布の中… しかし、その後何やかやと慌しくて、 そのスリムなお財布のまま2週間すごしてしまい、 それなりに現金が入っていたし、 先週バーゲンで衝動買いしたときは 1枚入れてた百貨店カードが大活躍したし…で すっかり安心していた。 ところが、昨日ふと気付くと、札入れ部分を満たしているのは 実はたまった領収書やら銀行ATM明細書やらであって、 戦力として残っていたのは、夏目漱石たった一人となっていた! さすがに2週間経つとこうなるかぁ…まあ、物入りな2週間だったし、 公金の立て替えも何件かしているわけだし… と思って、それ自体には特に慌てることもなく、 「明日会社行く前に下ろしてこよーっと!」と しごく軽く考えて1日を終えた。 普通預金には十分残高があるから、心配ないのだ。 ……しかし、ツメが甘かった…… 翌朝、駅前の○○銀行のATMの前に立ち、 スリム財布を開いて愕然とした。 「キャッシュカード、元のお財布の中だぁ……(TT)」 前日「明日下ろそう」と考えた時点で、 カードの所在を確かめるべきだったのだ。 手の中の財布には愛用の百貨店系クレジットカードが1枚、 「ご主人様、お呼びですか?(^^)」とばかりに輝いている。 (あんたで現金が引き出せるかぁっ!!) 理不尽な怒りを込めてカード入れを不機嫌に閉じた私は、 ひとり淋しくATMコーナーを後にした。 札入れに漱石が1枚、小銭入れに500円玉1個と小銭たち。 これから1日で最低限必要なものは、昼食代だけだから、 とりあえず大丈夫。 会社の手前のコンビニでつましく600円程度のサンドイッチを買い、 ま、これでおやつに缶コーヒーの一本も飲めるかな、 とちょっとほっとしたのがいけなかった。 帰りがけにふと目をやった、対岸のドラッグストア、 にSALEの幟がはためいていた。 愛用ブランドの消耗品が安い! 「418円になります。ありがとうございました」 …そして、500円玉が最終兵器となった。 ま、いいさ。明日こそちゃんと下ろすもん。 と思っていたところが、地元駅に降り立った瞬間、 とんでもないことを思い出した。 「今日は食材の買い出しの日だった!!」 念を凝らして冷蔵庫の中身を透視する。 野菜は、あれとこれと……ん、まあまあ何とかなるか。 続いて乾物ストッカーを透視……よし、あれを使えば……。 結局、主菜の材料になる肉・魚類のストックがない。 500円で買えるお肉は鶏か豚か…挽肉…薄切り……うーん… 考えながら保育園に向かい、上の子をピックアップして 気もそぞろに自転車を漕ぎ出すと、 10メートル前方に「餃子」の幟を立てた 小さなバンが停車しているのが目に入った。 販売台の横に貼ってあるメニュー表にさりげなく目をやると、 「肉餃子(12個)……500円」とある。 やった〜〜!! 餃子は子供の大好物。12個は家族3人分にはちょっと少ないけど、 手作り餃子が12個ほど冷凍してある。 合わせ技で今日の主菜は決まりだ!(^^) 出来合いの餃子を焼くだけなら、夕飯の支度も楽々、 しかも偏食王子も喜んで食べてくれるし、 そのうえ「やっぱりママの餃子のほうがおいしい!」 という嬉しいコメントまでついて、500円。 電車を降りたときのあの焦りはどこへやら。 何やら満ち足りた気分で窮乏生活の1日が終った。
2001年03月12日(月)
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