ぼんのう
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ソウルに着くと必ず寄る本屋・・・永豊文庫。理由は二つ。 一つは我輩の定宿である、ソウル観光ホテルに近いこと。 もう一つの理由は、漫画に関して、おそらくソウルで一番揃っていること。 というわけで、今回もここに来た。いつもと違うのは、東大門市場ど真ん中のホテルなので、地下鉄で来た。2年前に来た時、漫画売り場はここだったよなあ・・・あれれ? なんか受験参考書売り場になっている。どうなってるんだ? 店員に尋ねるのが一番だと思うが、「漫画売り場はどこですか?」の中で「〜オディイッスムニカ?(〜どこですか?)」は判るが、はてさて、「漫画売り場」って、どう訳するんだ? いや、それ以前の問題。 永豊文庫の店員の態度は最悪。
意地になって一人で探すことになったが、あっけなく新しい売り場を発見する。エスカレータで降りてスグ・・・
デカ!
売り場面積が一挙に
4倍!
しかも品揃えの95%以上が
日本漫画!
・・・昨日に続いて問いたい。 ウリナラの誇りはどーした!?
いやあ・・・でも本当に、日本の漫画ばっかり。 「今週の売上げベスト10」というのがあり、全部日本の漫画だったりする。一位は「鋼の錬金術師」。地元の女子高校生のグループが、キャーキャー騒ぎながら、最新刊を買っていく姿に少し微笑むが、同時に・・・
「韓国の国策・・・失敗したのかな?」
と、思ってしまう。 金大中政権で、漫画・アニメ・ゲームを国の産業にすべく、教育機関や研究施設をドンドン作り、人材を育成しようとしていたはずなのに、この売り場において、韓国人作家の手による漫画が殆ど見当たらない。
あれ?
「儺雨」もない???
あれれれれ? あれが目的で来たのに、なんでない? 最新16巻が出ているはずなのに? パクソンウ先生のが、ない? いや!あった! 「ZERO」ハケーン!
シスコン漫画逝ってよし!
それ以前に
日本をバカにする漫画逝ってよし!
なによりも
ビーチク省略漫画逝ってよし!
えーい! 店員に尋ねる! どうせ「大人が漫画を買うの?ふーん?」という軽蔑のまなざしと、最悪な接客態度に遭遇するであろうが、時間がねえ!
「ヨギヨ!『儺雨』イッスムニカ?」 「?」 「『儺雨』」 「ナ?」 「『ナウ』?」 「?」
どう発音すればいいんだ!
10回繰り返して、やっと理解された。 軽蔑のまなざしと共に・・・えーえー、わかっているよ。
・・・でもフト思った。 韓国で漫画産業があまり大きくなれなかったのは、漫画文化というのを社会全体が低く見ている所為ではなかろうか、と。 韓国は呆れ返る位の学歴社会で、一定の学歴を得た人間は、その学歴に相応しい職に就くのが当然とする風潮が、未だに強いらしい。大学を出た者は、役人になるか、大企業に勤めるかでないとダメであり、漫画家やゲームを作る人間等になるのは、愚の骨頂・・・
.........orz...........
まあ、いいや。 おお! 間違うことなく「儺雨」発見!しかも最新の16巻まで売っている!なぜか9巻だけないけど・・・まあ、帰国後、ハニル堂で買えばいいか。
にしても、 なんでこんなに埃かぶる下の段にあるんだい?
雑誌ガンガンの特別増刊(だっけ?)に、作者のパクソンウ先生の連載がある(全然知られていないが)。韓国の知人から、
「日本での評価はどう?」
と訊かれたが、率直に
「だめ。全然知られていない。」
と返したら、泣いていたな。
いや、それはそうと、「ZERO」が表に出ていて、なんで「儺雨」が影にあるんだ?いや、それ以前に、あまり人気ないのか?謎は益々深まるばかりにございます。
夜、チョンノでバーベキューポッサムを食う。 偶然、木村先生の韓国での保証人とばったり。 明日はマッコリだー!
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