ぼんのう
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2004年11月27日(土) 「儺雨」と私

ソウルに着くと必ず寄る本屋・・・永豊文庫。理由は二つ。
一つは我輩の定宿である、ソウル観光ホテルに近いこと。
もう一つの理由は、漫画に関して、おそらくソウルで一番揃っていること。
というわけで、今回もここに来た。いつもと違うのは、東大門市場ど真ん中のホテルなので、地下鉄で来た。2年前に来た時、漫画売り場はここだったよなあ・・・あれれ?
なんか受験参考書売り場になっている。どうなってるんだ?
店員に尋ねるのが一番だと思うが、「漫画売り場はどこですか?」の中で「〜オディイッスムニカ?(〜どこですか?)」は判るが、はてさて、「漫画売り場」って、どう訳するんだ?
いや、それ以前の問題。
永豊文庫の店員の態度は最悪

意地になって一人で探すことになったが、あっけなく新しい売り場を発見する。エスカレータで降りてスグ・・・


デカ!

売り場面積が一挙に

4倍!

しかも品揃えの95%以上が

日本漫画!



・・・昨日に続いて問いたい。
ウリナラの誇りはどーした!?



いやあ・・・でも本当に、日本の漫画ばっかり。
「今週の売上げベスト10」というのがあり、全部日本の漫画だったりする。一位は「鋼の錬金術師」。地元の女子高校生のグループが、キャーキャー騒ぎながら、最新刊を買っていく姿に少し微笑むが、同時に・・・


「韓国の国策・・・失敗したのかな?」


と、思ってしまう。
金大中政権で、漫画・アニメ・ゲームを国の産業にすべく、教育機関や研究施設をドンドン作り、人材を育成しようとしていたはずなのに、この売り場において、韓国人作家の手による漫画が殆ど見当たらない。





あれ?

「儺雨」もない???


あれれれれ?
あれが目的で来たのに、なんでない?
最新16巻が出ているはずなのに?
パクソンウ先生のが、ない?
いや!あった!
「ZERO」ハケーン!

シスコン漫画逝ってよし!

それ以前に

日本をバカにする漫画逝ってよし!

なによりも

ビーチク省略漫画逝ってよし!



えーい!
店員に尋ねる!
どうせ「大人が漫画を買うの?ふーん?」という軽蔑のまなざしと、最悪な接客態度に遭遇するであろうが、時間がねえ!

「ヨギヨ!『儺雨』イッスムニカ?」
「?」
「『儺雨』」
「ナ?」
「『ナウ』?」
「?」

どう発音すればいいんだ!

10回繰り返して、やっと理解された。
軽蔑のまなざしと共に・・・えーえー、わかっているよ。


・・・でもフト思った。
韓国で漫画産業があまり大きくなれなかったのは、漫画文化というのを社会全体が低く見ている所為ではなかろうか、と。
韓国は呆れ返る位の学歴社会で、一定の学歴を得た人間は、その学歴に相応しい職に就くのが当然とする風潮が、未だに強いらしい。大学を出た者は、役人になるか、大企業に勤めるかでないとダメであり、漫画家やゲームを作る人間等になるのは、愚の骨頂・・・


.........orz...........


まあ、いいや。
おお!
間違うことなく「儺雨」発見!しかも最新の16巻まで売っている!なぜか9巻だけないけど・・・まあ、帰国後、ハニル堂で買えばいいか。

にしても、
なんでこんなに埃かぶる下の段にあるんだい? 


雑誌ガンガンの特別増刊(だっけ?)に、作者のパクソンウ先生の連載がある(全然知られていないが)。韓国の知人から、

「日本での評価はどう?」

と訊かれたが、率直に

「だめ。全然知られていない。」

と返したら、泣いていたな。

いや、それはそうと、「ZERO」が表に出ていて、なんで「儺雨」が影にあるんだ?いや、それ以前に、あまり人気ないのか?謎は益々深まるばかりにございます。


夜、チョンノでバーベキューポッサムを食う。
偶然、木村先生の韓国での保証人とばったり。
明日はマッコリだー!


ANDY 山本 |HomePage

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