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2008年10月13日(月) 着付けマダム18回(その1)

ようこさんがコーディネートに悩んでいるという話を聞いて、一度マダムに見ていただこうということになり、ようこさん宅で合同お稽古。
一方私は何をお稽古していただこうかしらと考えて、目新しいものではこの間袖丈を詰めた綸子の振袖。訪問着として着ましょうということで、マダムに事前にメールでコーディネートの相談をすると、成人式の時の帯で行け!とのご指示だったので(実際はそんな言葉遣いではありません。念のため)、帯と振袖は成人式の時のもの。小物類はさすがに当時のままとは行かないので、白地に銀糸の入った細い帯締めと、墨染めに桃色のぼかしが入った帯揚げ。荷物は多くなるけどそのほかにも小物類をいくつか用意するようにといわれたので、持っていくより着ていくほうが荷物が減ると、思い切って着て行く事にする。
で、これがまあ大変。
着物自体がひと月ぶりな上に、ひと月前は夏。肌襦袢の着方から戸惑う。長襦袢は振袖とセットなので、自分で着るのは初めて。衣紋抜きをつけることは覚えていたが、はて、ここに何を通すんだったか…。衣紋抜きに腰紐を通すんだったと思い出して、一回やり直し。やっとのことで長襦袢を着て着物を羽織り、ここから先はさすがに身体が覚えているので比較的スムーズに進むが、帯にかかると、またこの帯が重くて短くて、ずるずる。綸子の生地は滑りやすく、ご丁寧に長襦袢もすべすべなので、帯を締めているうちに、胸の辺りがはだけてきた。
…やり直し。
さっきの反省点を生かしながらもう一度着物を着て、帯。帯はここ何回かずっと作り帯だったので、またも思い出しに時間がかかる。仕上げ間近にちょっともたついていたら、どさっとお太鼓が落ちた。そりゃ落ちますよ、手を離しちゃったら。仮紐外してんだから。
てな感じで、汗だくになりながら早1時間半。過程を何回も行きつ戻りつやり直しているので、そばにいる夫には一向に進捗していないように見えるらしい。横で「いろいろ大変だねぇ。」などと涼しい顔をしている。
結局、着付けに2時間の余裕を見て、2時間強かかってなんとか仕上がり、上に道行を着て出かける。ようこさん宅近くのファミレスでマダムと落ち合うと、「あらちゃんと着られてるじゃない、感心したわ。」とのお言葉を頂く。あーよかった。
×××
ようこさんのお宅に着くと、和室いっぱいに広げられたようこさん手持ちの帯、着物、小物類に迎えられる。ステキ。ようこさんのは、お下がりやもらい物もあるけれど、最近になって自分用にあつらえたものや若い頃にお母様が準備して置いてくださった比較的新しいものなどもあって、私のものとはまた違う品揃えで目新しくうらやましい。
ようこさんが「この着物/帯にはどれをあわせればいいのかわからなくて…。」と言って見せると、マダムがてきぱきと「この着物はこの帯を合わせて、小物類はこれこれをあわせましょう。」と目の前で組み合わせてみせては、そのたびにようこさんと私が「わー、考えもしなかったー。」と驚くという繰り返し。さらにようこさんの驚きっぷりにマダムも「あらまぁ、そんなに驚かなくても…。」と驚く。この道40年のマダムには当たり前のことでも、私たちにとっては目から鱗が落ちる思い。
一応「織りの着物に染めの帯(あるいはその逆)」とか、錦糸の入った帯や帯締めはある程度格のある着物に、というルールはあるものの、基本的には「何でもいいのよ。」というマダム。その「何でも」が難しい。とりあえずはパートとして着物・帯・帯揚げ・帯締めを、上(着物・帯揚げ)と下(帯・帯締め)の2パートで考えるのもいいのだとか。
ようこさんはわりと渋好みなので「あまり好きでなくて…。」と見せた、実家から持ってきたというピンクの付け下げ。いらないなら私が欲しいっ!と口に出そうになったところで、マダムがこれまたすばらしいコーディネートを見せて下さり、いきなりようこさんお気に入りの一枚に変身。
ようこさんが最近呉服屋さんで買った帯締めがとても素敵。色もきれいだし、質感もいい。やっぱりいいものはいいなぁ。私もきれいな帯締めが欲しくなった。
(続く)


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