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ほとんど月イチ着付け日記と化している今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。 そんなこんなでいよいよ単衣の季節。マダムに着付けを習い始めたのが、単衣の最後のほうなので、もう足掛け10ヶ月になろうとしているのか。 今日はマダム1時半の予定が1時に登場。 この間銀座でふらふらとセールで買った帯締め2本を見ていただく。正札9800円でセール価格で1000円。色はマダムお勧めの錆朱と抹茶色で、それぞれ錦糸が入っている幅広のもの。マダムがおっしゃるには、わりと改まった席に使えるだろうとのこと。それと正札の値はあながちウソではないらしい。あとお店で見かけたのは片方の色が違っていて、先が二本に分かれていたりするもので、それは「2本ばら」などといって遊び用らしい。 伯母から引き継いだ単衣は紬2枚と一越縮緬(ひとこしちりめん)1枚がある。この一越は昭和30年代のものらしく、「暮らしの手帖」というロゴが目に浮かぶようなレトロな幾何模様が白地に入っている。古い着物の常で身頃も狭く、着物の袖から長襦袢の袖が2センチほど出てしまうし、生地もてろてろしていて着にくそうなので、今回はこれでお稽古。帯は黒い朱子織の開き名古屋に夏用の薄紅色の帯締め。帯を包んであった畳紙には、昭和40年1月の日付印が押してある。帯締めはセロファンで包装されたままの未使用品。見た目は涼しそうだが長襦袢は冬のままなので、着物の下はむんむん。長襦袢の袖は応急処置で安全ピンを使って丈を詰めていただいた。 着付けの流れは大体マスターしたので、あとは細かい点を手直ししていただきながら進めていく。たとえば… ・補正のタオルは、後ろが上がって前が下がるように斜めに巻く。 ・胸元の合わせは、上前と下前の衿をそれぞれ両手で持って左右に引いて、あわせすぎるほど深くあわせる。下前は身八つ口から手をいれることになる。上下には引かない。 ・下前の衿が崩れるのを直すときは、右手をぐいぐいと上前のおはしょりに入れていって、左手は上前の衿、左手は下前のおはしょりの辺りを持ってピンとはる。 ・帯揚げを結んだ端を帯の中に入れ込むときは、端の真ん中あたりをつまみ、結び目の左側から差し込んで右側に、結び目の右側から差し込んで左側にそれぞれ入れる。余りは自然に帯の内側に落とし込まれる。 帯結びを二回やって、裾よけと肌襦袢が5枚ずつあるような下着類を改めてみていただいて今日はおしまい。この後は馬喰町の問屋さんへマダムにつれていっていただくのだ。朝から雨模様だったので洋服で行かなければならないと思っていたのだが、お稽古中にめきめきと晴れてきたので、思い切って着物で出かけることにする。 今日のお目当ては、雨コート、雨にぬれても大丈夫な着物、夏着物(いずれも東レのシルック(R))、夏帯、夏用襦袢、夏着物に合う小物類。お金はどのくらい用意したらよいのかマダムに聞いてみると、マダム@お店やさんモードに伝票が届くのでそれからでいいとのこと。一括で払うのが無理ならマダムが分割にしてあげるとおっしゃるのだが、いったいどの程度になるんだろうか。 都営新宿線に乗って馬喰横山まで。岩本町の繊維問屋街は行ったことがあるけど馬喰町は初めて、などといいながら歩いていたら、突然見覚えのある建物と看板が。そういえば成人式の振袖は、伝手を頼って問屋さんで買ったのだが、実はここだったのか。あの時は車で来たから気づかなかった。 その振袖は今、マダムが預かって袖を切られるのを待つ身。マダムは「あたくしのところにあるアレはここから来たのねぇ。」としみじみ。というわけで、初めてではない馬喰町で、マダムなじみの問屋さんへ。二階にあがるとだだっぴろい部屋に反物が積んである。私の箪笥にはあまりキモノキモノした花柄や伝統柄はないので、お店に行くまではそういうのもいいなと思っていたのだが、いざ反物を前にしてみると、そういうものはいかにもつまらなく思えてしまう。マダムに、よくあるのがいいかあまりないようなものがいいかと聞かれるので、やはりそこは「あまりないようなものを」と即答。というわけで、まずは薄ねず色に飛び柄で古典的な花が入った東レのシルック(R)を1枚。個性的な柄は2枚目以降にとっておきましょう、ということで薄紫の夏用着物。夏帯は黒地に黄土色や茶色で献上柄が入ったもの。洋服でも試着してみないとわからないものだが、反物だとなおさらである。鏡の前に立って、肩から反物をかけてみる。うーん、楽しい。 長襦袢は仕立てあがったものをサイズで選ぶ。身長で決めようとしたら、マダムから待ったがかかり、試着してみると果たして長すぎる。私は首が長くてなで肩なので、身長のわりに身体部分が短いらしい。というわけでプレタ(Prêt-à-Porter) 着物を買う場合は、身長表示より1サイズ小さいものを選んだほうがよいということが判った。 てきぱきとマダムが決めてくださるので。あれよあれよという間に反物2本と帯、長襦袢、雨コートが積まれていく。それから私が欲しいと思って手に取ったゆかた用のワンピース型下着(お風呂上りに涼しそう)、それに仕立て代が2着分足して、しめて社会保険料(あるいは国民健康保険料)1年分ぐらいの金額になった。今あるものを生かそうとすると、更なる出費がかさむのだなぁ。 でも、マダムのお店扱いでの卸し価格で買えたのでデパートで買うより3割ぐらい安い。夏着物で出かけるのは一夏に多くて2〜3回ぐらいで、晴れ女の私が雨降りで出かけるのもそんなにないだろうと考えると、これだけあればたぶんあと30年買い換えなくてもよさそう。70過ぎたら着物を着ることもあまりないだろうし、そうするとこれでもう一生分まかなえちゃった?? といことは一生私はデパートの呉服売り場や呉服屋さんでお誂えなんていうのは縁はないのかもなぁ。お古と問屋の着物生活。 買い物が終わったら雨になってきたので、早速雨コートを着て帰る。家に帰ることはどしゃぶりだったが雨コート最強。
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