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2008年05月23日(金) 悉皆やさんデビューと同期会

午前中、非常勤先B。
どうも昨夜から足が疲れていてマッサージをして寝たのだが、やっぱり足が重い。大学の最寄り駅に着いたのはちょっと早めだったのであせることなく、のんびり歩いて行くが、校舎に入ったとたんにチャイムが鳴ってあせる。あわてて教室に行って準備を始めるが、時計を見たら10分早かった。10分前に予鈴が鳴るシステムだとは気づかなかったことよ。
今日は第1回目のレポートの提出日で浮き足立っている様子。前日までにレポートを印刷しておきなさいといったにも関わらずその場で印刷しようとしている学生がいるので、見て見ぬふりをしようとすると、「先生!今レポート印刷してもいいですか?」と質問してくる律儀者がいるので、「いいですか?と聞かれたらダメと答えるしかありません。そういう時はこっそり出してからもうしませんと謝ったほうが得策です。」と間違った大人の知識を教える。
以前は学級崩壊寸前だったこの大学はここ2-3年ですっかり様子が変わり、今年度は、驚くほど私語が少ない。レポートも真面目に取り組んだ様子が伺えるし、レポートはクリアフォルダなどに入れてシワや折り目のつかないように持ち運びなさい、とくどくど言ったおかげか、ほとんどがきれい。例年より人数が少ないので、提出されたレポートの書式をチェックして全員の前でダメ出しをしていく。こういう方式をとると、他人の前で恥をかかされるといって抗議してくる学生がいるところもあるのだが、授業後のコメントを読むと、ダメだしされたので次はがんばりたいですなどと殊勝な意見がちらほらあってちょっと驚く。「先生Sですね。」と書いてあるのもあった。いや、そんな性癖は…。ポンポン叱り飛ばしたり、客いじり(学生いじり)したりするのでそういわれるらしい。が、最近の若い人たち、「鬼畜」とか「どM」とか簡単に言いすぎ。
レポートの採点を済ませてからいったん家に帰り、夜のお出かけの前に着物の丸洗いや染み抜きをしてくれる悉皆やさんに行ってみる。1月にたまたま見つけた店だが、近所といっても生活圏にないので、寒いからとか雨だからとかいろいろな理由で先延ばしになっていたので、たどり着くまでに案外時間がかかった。他のは散々着てから悉皆やさんに出せばいいというマダムの仰せに従い、とりあえずどうも全体が垢じみている感じのお召しを出すことにする。
長めののれんをあげて、がらがらと引き戸をあけて、「ごめんくださーい」と奥に声をかけると、なかから年のころ七十前後の男性が出てきた。店のつくりは細長い。土間と帳場の間がカウンターになっていて、こちらは土間に置かれた椅子にすわる按配。椅子に座ると帳場の奥にすっきりと掃き清められた座敷、さらにその奥に水周りらしい板張りの床が見えて、タイムスリップしたよう。
お店のご主人は、私の持ち込んだ着物を手早く帳場の床に広げて、汚れの様子を丹念に見て「じゃあ、丸洗いしておきます。」と割とあっさり。値段を聞くと「何もなければ12000円ですね。」うーん、思ってたより高いなー。ネットでよく見るのは数千円。往復の送料や荷造りの手間を考えると、歩いていけるところにあるのはポイントが高い。できればちょっと高めでも信頼の置ける悉皆やさんと長く付き合いたいので、モノはためしで託してみることにする。この汚れは義母も気に入って何度も着ていたためだろうし、大事にしよう。
ここがいまひとつだったら、非常勤先Mの近くにある呉服チェーンに出す手もあるか。ここは安さで魅力。店先のワゴンセールで畳紙とか帯板とか細々したものしか買ったことがないが、いつも感じのよい若い男性店員が応対してくれる。女将(店長か)は、やや押しの強そうな感じ。
着物を託して、夜は銀行時代の同期会。ひょんなことから同期会をすることになったのだが、2週間前に声をかけ始めて、女性ばかり31人のうち12人が集まった。そういえば入社から丸20年過ぎたのだという。みんな平等に少しずつ年をとっていて、でも「変わらないねー」と連呼しあう。
今日は今も勤めている10人と退職者2名という内訳で、既婚未婚に関わらず全員が子無し。子育て中の人は来なかったので当然なのだが、同期全員を見渡しても子無し率が平均より高い集団である。最近の大学生事情などを話すと、「信じられない!」「そんなに甘やかされていてどうするのか!」「日本の将来は大丈夫なのか!」などと憤りの声が飛ぶ。最近そんなの慣れっこになっていたのだが、よくそんなの我慢できるね〜などと同情され、身の回りに子供がいないがゆえの彼女達のピュアな反応に驚く。
最近は親がすぐ乗り出してくるから下手なことはいえないなどと言うと、ついこの間親が会社に乗り込んできたという話が飛び出してくる。二年目の女子に「もう新人さんじゃないんだから、自立して仕事をしっかりやるように。」と発破をかけたら、それを重く受け止めて精神的に参ってしまったというので、母親が「うちの子にそんな重圧をかけないで下さい。」と言ってきたらしい。それで、その子には何も仕事を任せてはいけないことになったとか。そういえば昔コネ入社で若年ながら窓際族になっていた人はいたが、今は庶民出身でもそうなんだろうな。
途中席替えなどはさんんで、いい感じにおばさんになっていた人々と遠慮なく加齢の話をし、10時半近くに「この時間だといつもまだ働いているから、この時間でも早いと思っちゃう。」などと言いながらお開き。

みんながんばれ。


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