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夫の歯の詰め物がとれたので、JR駅近くの歯科医院へ。 そこはJR駅から伸びる商店街の一角にあるので、治療が終わる頃を見計らってお昼でも食べようということになった。以前通りすがりに入っておいしかった、ごくごく庶民的な中華料理の店に入る。 2階もあるらしいのだが、1階はカウンターと調理場だけのごくごく小さい店で、先客は日替わり定食を食べている男女、食事の前のビールを楽しんでいるおばさん。カウンター越しにお盆にのった定食を渡され、食べ終わった客はなんとなくカウンター越しにお盆を返している。主菜、副菜、スープ、ご飯、香の物がついて750円。ボリュームもたっぷり。 ビールを頼んでいたおばさんは、三十代と思われる店主夫婦と話をしている。今日は、商店街の花屋で安くなった鉢物を目当てにやってきたらしい。それほど狭いみせなので、思わず会話に割って入りたくなるほど隣の会話も丸聞こえになる。近所の公園に花を植えているらしいのだが、よく盗まれるので重い鉢にしないといけないという。 「鉢を針金で固定しないと」とか「持っていった人は可愛がってくださいと張り紙しとくか」とか「いやいや、盗んだアナタは泥棒です、ぐらい書かないと」とかと、店主夫妻が一緒に憤慨している。根こそぎ抜いていく人もいるらしいのだが、土が変わると根付かないものが多いという。私も経験しているが地面に植わっていたものを鉢に植えてもまずうまくいかない。特に実生のものは難しく、よほど繁殖力の強いものか土に気を遣わないと無理だ。「枯れてしまったら、またとって来ればいいや、ぐらいに思ってるんでしょ。」と言うおばさん。 「きっとそういう人はバチが当たるよ、いいことないよ。」と言い合って、話は終わり。そう思うぐらいしか救いはない。その後、駅のほうまで行って見ると、民家の庭先に小さな草花園があるのを見つけた。世話をしていた人はもう故人となっていて、荒れた庭は見る影もないが、それでも四季折々に咲かせる花を楽しんで欲しいという趣旨の張り紙と、そこに植えてあった草花を根こそぎ抜いていった花泥棒へのメッセージがあった。本当に植物のことを考えていたら、無残に抜き去ることはしないだろう。きっとその花は環境が変わって枯れてしまっただろう。 花を盗む人も、吸殻をポイ捨てする人も、優先席を占領してお年寄りを立たせている人も、マナー悪く自転車を走らせる人も、違法駐車する人も、自分さえよければそれでいいという人は、みんなバチが当たる、と思いたい。
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