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2006年04月25日(火) 13歳のエレーン

中津川で女子中学生が殺害されて、はじめの報道では、のどかな田舎の女子中学生が突然事件に巻き込まれたのかという印象だったが、時間が経つにつれてそんなどころではない事が次々と明らかになった。
犯人の男子高校生は都会からの転校生で垢抜けた雰囲気で人気があったとか、彼はすでに別の女子高生との間に子供がいるとか、被害者の姉が数年前に中津川の中学で起きた性犯罪の首謀者だという噂とか、どこか遠い国で作られた映画のあらすじを読んでいるようだ。

ネットで誰かが早速コピーしておいた、彼女のブログを読んだ。そこにあるのは圧倒的な寂しさ。自己紹介にある口癖は、うぜー だるぃ、死ねょ etc。寂しさを埋めるための過剰なまでの友人たちとの馴れ合い。ギャル字交じりに、ずっと友達だとお互い宣言しあって、じゃれあって、絶交して、寂しさに耐えかねてまた仲直りして、廃屋にたむろして、カラオケボックスで大騒ぎして、肉体関係を持って、狭い人間関係の中でぐるぐるぐるぐるとあがいている。
彼女が日記の中で繰り返しうぜーと罵る母親、半分お父さんのように慕っていた母親の彼氏が去る。大人は信じられないと泣いて、苦しんで、リスカして、また仲間とつるむ。ブログには、彼女と彼女の友達のあどけない顔立ちのピースサインの似たような写真が並ぶ。加害者も被害者も大人に置き去りにされた少年少女で、年齢も属性も全然違うはずだけど、なぜだか中島みゆきの「エレーン」が頭の中をめぐる。

死にたいという記述が何度も出てきて、「誰かあたしを殺してくれないかな」と書いた数日後にそれが現実になってしまった。彼女が亡くなる数週間前に、家出なのか八王子に行ったという記述がある。中津川から一番近い東京(八王子)に行って「まぢすげぇ」。2〜3日後にも「東京ゎたのしかった」という記述があった。泣けてくる。もっと色んなところにいって、さまざまな体験をしたかっただろうに。

参考サイト:
中島みゆき「エレーン」歌詞
http://utahime.sukinano.net/words/01_orialbums/01_orialbums07.html#anchor010706


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