WELLA
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2005年04月08日(金) 甘茶でかっぽれ

久しぶりに平日を休んだ夫と外出。近所のお寺に行く。ここは敷地が広いうえに桜が見事なので大勢の人が境内で桜を楽しんでいる。近くの保育園の園児たちが、風に舞い散る桜の花びらに大はしゃぎで手を伸ばしている。いつぞやPさんが日記に書いていらしたように、空に向かって両手を伸ばす子供の後姿は、確かにきゅんとなりますな。
檀家らしい人たちがつぎつぎと本堂におまいりをして甘茶をいただいていく。夫も私もお寺と親しい家に生まれ育っていないので、こういうときにどういう振る舞いをしていいのだかよくわからない。お寺さんは熱心に勧誘活動などは行わないだろうから、檀家になるにはどうすればいいんだろうかと考える。いや、お坊さんに質問すればいいんだとは思いますが。近所にお寺は多いのだが、最近は物騒になって信徒・檀家以外の立ち入りを禁じているところもあり、自由にお寺が散策できなくてさびしい。
ついでに区役所の出先機関にいって印鑑登録証を自動機対応の新しいカードに更新してもらう。窓口の人たちが過剰に親切でびっくり。フロアの係りらしい人に聞くと、記入用紙を奥から持ってきてくれて、記入後窓口に提出すると係の人が「時間がかかるのでしばらく座ってお待ちください」と言い、いわれたとおりにソファに座って待っていると、「なにがし様、お待たせしました」と新しいカードを届けに来てくれた。足の不自由な人もいるからソファまで届けてくれるのはありがたいが、別に「様」までつけてくれなくても、「さん」づけでいいじゃないか。
その後、以前まぐら日記で紹介されていた代々木公園駅近くのレストランで昼食。まぐら日記の日高さんとは何度かお会いしているがそれはもうずいぶん前の話で、今はこんな風に文化やアートを自由自在に楽しめたらいいなぁと思いつつ、時折遊びに行く場所や面白そうな本の参考にしている。公園は花盛りで、ホームレスのものか花見客のものか定かでないブルーシートが点々と見える。お店は大きな窓が公園の土手に面している。通された席からは桜は見えないものの落ち着いた雰囲気でおいしいパスタを食べる。分煙されていないのが難点だがまた来たい。食後は桜の花を追いながら、小田急線の開かずの踏切を待ったり、坂を上がったり降りたり、高級住宅街の巨大な邸宅に目を見張ったりしながら、ぶらぶらと初台まで。
「谷口吉生のミュージアム」展。MoMA(ニューヨーク近代美術館)のコンペの経過、その他の作品の模型と図面などが展示されている。どれも隙がなく計算しつくされているのに、軽やかな印象を受ける。先日行った丸亀市の猪熊弦一郎美術館もこの人の作品で、旅行から帰ってきた翌日放映されていたオクサマ向け番組の情報によると、夫人はLVMHグループのジュエリー部門の日本代表だという。取材されていたのはマダム中のマダムといった美しく風格のある女性。「主人は建築家なんです」といって取り出した写真にはお似合いの二人。このマダムをして完璧主義者だという氏はいったいどんな人なのだろう。MoMAレセプション時の映像も流されているが、フォーマルスーツに身を包んだスピーチや夫人同伴で建物会場へ入っていく姿なども洗練されていて、セレブリティというのはこういう人たちのことを言うのだと思った。はー別世界。
京王線初乗り分を倹約して(笑)新宿駅まで歩く。途中のコンビ二で社会保険料を納める。納め忘れがないように前納する。社会保険庁からは納め忘れのないように口座振替が依頼されているが、こういうものは重みを感じるために現金で納めたほうがいい。しかしコンビ二で一万円札を十数枚取り出す日が来るとは思わなかった。甲州街道脇の遊歩道に植わった桜を見上げながら文化女子大の裏手あたりを抜けて再び甲州街道に戻る手前のスタバに入る。都営新宿線に乗って市ヶ谷へ。お堀の土手の桜も満開で、若者たちがすでに宴会を始めているのをやり過ごして、靖国神社を見下ろせるビル@穴場に上がる。千鳥ヶ淵の桜も見える。遠めに見る桜もいいがやはり近くで見たくなったので、靖国神社へ。脇の通用門から入る。境内の中はもちろん宴会禁止なので空気もすがすがしい。大砲の展示や軍用犬、軍馬、戦時中の母の銅像などが配置されているのを横目にしながら奥に進むと、日本庭園があり茶店なども出ている。人々に混じって暮れなずむ空に映える桜を見ながら静かにのんびりしていたら、ガードマンが「もうとっくに閉門してますよ」と呼びかけに来た。6時で閉門らしい。茶店も澄ました顔で食べ物を売っているものである。
正面に回ると外はすごい人だかり。薄闇に浮かぶ桜を一目見ようと人々が門の隙間からこちらをのぞきこんでいる。午前中行ったお寺は週末は観桜会として特別に夜8時まで出入り自由にしているようだが、規模が違うとなかなか難しいだろう。靖国通りを市ヶ谷方向へ進む。向うから手にお酒や食べ物をもった会社帰りの人々がたくさんやってくる。以前見つけた中華料理店に入ってちょっとはやめの夕食。まだ出来て半年ほどなのですいているが、老舗の分店なのでおいしい。店を出るとかなり冷え込んでいたが、お堀脇の土手は人で一杯。夕方見たときは立錐の余地もなく宴会場となっていたと思ってたが、突然思い立って花見になったらしいウ○コすわりのサラリーマン連れとか、立ち飲みの男女グループとか、なんとしてでも桜の下でお酒を飲みたい人たちの根性が発揮されていた。混雑にキレたのか空車の個人タクシーがクラクションを鳴らしながらスピードを上げて車道を通り抜けていく。
土手の斜面に咲き誇っていた水仙は無残にも踏み荒らされていた。

参考サイト:
まぐら日記 http://magra.org/
「谷口吉生のミュージアム」展 http://www.operacity.jp/ag/exh60.html


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