WELLA DiaryINDEX|past|will
今日は一日一人で過ごす日。 昨日の残りのサンドイッチを食べ、夫を見送って出かけるしたく。夕方ホテルのリラクゼーションマッサージを予約して、その前にタクシーで10分ほどいったところの、ショッピングモールに行ってみることにする。タクシーを呼んでもらってから、ふと時計を持っていないことに気づき、部屋に戻るがまた鍵が開かない!ここはオートロックでカードキーなのだが、ロックのバッテリーが切れていて鍵がかからなかったり、カードキーの磁気が抜けていたり、ずっと調子が悪いのだ。フロントに言うと、磁気を入れなおしたカードと新しいもう1枚くれて「これでだめだったらまた来て頂戴」といわれる。部屋に戻る途中で営繕係らしき男性と会い、今無線で呼ばれたといって一緒に見に来る。試してみるとやっぱり開かない。オートロックが開かないのはドアの閉め方が甘いらしく、思い切り閉めてから彼のマスターキーだと開く。硬すぎるのがいけないので、私が外出中に直しておくから遊びに行っておいでという。前日に来た営繕係もいい人だったが、この人もいい人だ。時計を取ってロビーに戻るともうタクシーが来ていた。このタクシーは正月の注連飾りのように牡牛の角をフロント部分につけている。車の中もウェスターンという感じ。 目的地のショッピングモールはリゾートホテルに隣接していて、ブランド品などはなくて、地元の特産品とか、手工芸品とか、民族衣装みたいなひらひらした服とかを扱っている、アミューズメントパークのような土産物屋さんの集合体。なぜかスペインの街を模しているのだが、つ、つまらない。受付のところで地図をもらって、よくしゃべる係りのおばちゃんがスパはいいわよ〜という。スパは隣接するホテルの中にあるらしい。趣味じゃないんだよな〜と思いながらホテルのほうに歩くと、駐車場係にここにはもっとお店がありますよ、といわれて、指差す方向に歩くと、地元の農家がやっている青空市のような一角がある。これもアミューズメントパークの一部らしく、多分このおじさんは売れても売れなくてもここに店を出すということで生計を立てているらしい。商売っ気全くなし。「ああーこんなにいい天気なら、ハイキングに行きたいよ」といいながら、試食品をどんどん食べさせてくれる。サボテンジャムとかサボテンキャンディーとか食べているうちにおじさんはどこかに行ってしまい、取り残された私はリゾートホテルのほうに歩いていってみる。 受付でギフトショップはどこですか?と聞くと2箇所あると教えてくれたが、どっちも私にはつまらない。私がかぶっている黒い帽子を見て、「あら、すてきな帽子〜」とか声をかけてくれるが、別に買ってもらいたいわけでもないらしい。この帽子は以前イギリスで買ったものだが、これををかぶっていると話のネタになるので助かる。この2階にスパがあるのかと思いながら、「もっとある」という店はどこにあるのか探してみるが、どこにもない。そのうちにさっきの農夫の店に舞い戻ってしまい、「もっと」の意味は「もう一つ」の意味だったらしいことを知る。退屈を訴えるとおじさんは「ああー、こんな店をやってたくないなぁ、おなかが痛いことにして、今日は休みにしたいなぁ、それでキミをハイキングに連れて行ってあげるんだがなぁ」とぼやく。隣の案内ブースにいるおばちゃんのところに連れて行ってくれて、「このYoung ladyにちょっとアトラクションを説明してあげてくれ」と言ってくれる。Young ladyといわれて感じる居心地の悪さ。すいませーん、貫禄なくて。おばちゃんはあなた、35歳は過ぎてないわよねぇ?という。(いや、バリバリ過ぎてますけど)なにか?そしたら、スパでエステもいいけど、若いみたいだから、ジープツアーに乗ってらっしゃいよ!という。ジープツアーなら昨日も乗ったのでもういい、というと、また別の会社のだから場所に行くし絶対楽しいわよ!という。まあ、そういわれてみればそうかとも思い、ジープツアーの受付に行く。各ツアーは最少催行人数が2人。夕暮れ直前に1つツアーが決定しているというが、それだとマッサージの時間と重なっているしなぁと思っていると、もう少し後に来てくれれば状況が変わると思うのでまた来てみてといわれる。その場を去ろうとすると、「Where your accent comes from?」と言われる。彼女が言うにはたいていどこの国の人かしゃべり方でわかるけど、あなたのはどこの英語かわからない、でもわたしあなたのしゃべり方好きだわ〜、あなたみたいに話してみたい、いったいどこの?ということだ。「好きだわ〜」のあたりはお世辞だろうが、そういえば私は日本人特有のアクセントではないし、しいて言えば米語ではなく英語っぽいのかも知れないがもちろんネイティブには程遠いし、日本語英語と米語と英語とがまざって出所不明なアクセントになっているらしい。いくつかお店を見て、おみやげ物なども買うがどの店もここに開店することが至上命令なのか、売る気まったくなし。ただ世間話だけして商品をろくに見ないでにこやかに送り出される店もある。 ここのスパを使うことになんとなく気持ちが傾き、ともと泊まっているホテルのマッサージはキャンセルすることにする。ホテルの電話番号を調べてもらって、キャンセルの電話をかけるがフロントデスクの担当者がいけず。この男、前の日にロックが開かないといったときも、カードキーの磁気を直しただけで対応が悪かったし(ロックが悪いといっているにキーを直すバカがどこに??)、今回マッサージルームが留守番電話になっていたが、録音するだけでは心配なので伝言を残しておいてくれというと「自分はその権限にないし、マッサージルームには誰かいるはずだから」といって勝手に電話をつないでしまういやな奴である。仕方なくキャンセルのメッセージを吹き込むが、ちゃんと通じているか心配。 スパのパンフレットを見ながら食事にする。フランスパンの上に、暖めたグリュイエールチーズとキャラメルのかかった焼きりんごが載せてあり、脇にフレッシュフルーツがそえられた「サンドイッチ」。ウェイターが芝居がかった奴で、ちょっと気味悪く冷笑しつつ接客してもらう。会計の段になって、お財布を開けるとクレジットカードを忘れてきたことに気づく。食事代ぐらいはもちろん現金を持っているのだが、この後スパに行ってジープツアーに行くなら全然お金が足りない。仕方なくいったんホテルに帰ることにして、タクシーを呼んでもらう。ひーっ。急に忙しくなってしまった。レストランにはまた戻ってくるといいおいてジープツアーの受付に行くと夕暮れのツアーはもういっぱいになり、もう少し時間の長いのがまだあるというので、とりあえずそれに申し込んでレストランに戻ると、タクシーが来ていてホテルに帰る。ホテルに戻ってここで10分ぐらい待っててくれるか聞いてみると明らかに不機嫌そうな運ちゃん10分以上かかるか?と聞いてくるので、いや5分で終わるというと、それならいいという。まあ、ここはアメリカだし、7分で終わる用事なら、遠慮して大目に10分というより、初めから5分といって遅れてもかまわないだろう。 部屋に戻るとまたキーが開かない!ロビーに学会関係者が何人かいて、夫にクレジットカードを借りようかと思って、知り合いに所在を聞くと夫はちょうど会議に入ってしまったというし、タクシーは待たせてあるし、半ばパニックになって部屋に戻ろうとすると、ちょうど営繕係が声をかけてきた。「鍵がまた開かないー!タクシーを待たせてあるのよー!」というと、「いつもタクシーが待ってるねぇ」といいながら一緒に来てくれた。彼のマスタキーで開けるとちゃんと開くが、私のキーでは開かない。キーを預かってフロントにおいておくので、帰ってきたらフロントに言ってくれといわれる。お財布を出したりしている間に、また彼が新しいキーを持ってきてくれためしてみると今度は大丈夫。本当に申し訳ないと謝ってもらい、マッサージルームにキャンセルできているか確認の電話を入れ、タクシーに大急ぎでもどる。なんて忙しい午後になってしまったのだろう。 タクシーでまたもとの場所に戻って、スパに行く。といってもスパに入っている時間がなくなってしまったので、マッサージだけ90分受けることに。マッサージ師の性別にはこだわらないか聞かれるが、もちろん女性を頼む。男性のマッサージ師を希望する女性もいるのだろうか?30分後に入れるというので、その間にジープツアーの申し込みをし、戻ってきてバスローブに着替えてマッサージルームへ。 ・ ・・・・・・・・・・(極楽中につき省略)・・・・・・・・・・・・・・ 施術後は時間との戦い。シャワーを浴び、え際までオイルがついた髪を洗い、ジャグジーに飛び込んで身体を温め、あがって髪をざっと乾かして、ジープツアー開始5分前に着替え終わる。ぜいぜい。髪は生乾きの気がするが、なんとなくほかほかしたまま集合場所へ。受付の女性と楽しげに話しているウエスタンハットの若い女性がいて、彼女がツアーのドライバーだといわれる。あら素敵。それから残り二人がやってきて、これはシカゴとNYからそれぞれやってきた女子大学生。「うわーっ今日はみんな女の子ねっ!」と盛り上がる運転手。ブロークンアロウというスポットに行く。こっちは昨日とは打って変わって、樹林の中を進む。トレイルの入り口には大きなマウンドがゲート代わりにしつらえてあって、これをイーハーポイント(Yee-Ha point)というんだ、とガイドが言う。おなかをこすらずにここを乗り越えられる車だけが中に入れるようになっているのだが、当然がったんと結構な衝撃が。イーハーというのはカウボーイの雄叫びらしい。以降、「女の子」4人でどっこんどっこんと高低差を乗り越えるごとに、「イーハー!」「い、いーはー…!」と雄たけびを上げて気合を入れる。うー楽しい。北陸にいた頃、たまに乗用車でダート道を走ったりしたが、それの100倍ぐらい面白い。テキーラの香り付けに使う葉っぱとか、いろいろ教えてもらうが、うーむ、よく聞き取れないのが残念。やがて息を呑むような絶景が現れる。写真をとってくれる相方がいないので自分の影をとってみたりして。
絶景ポイントの次は絶叫ポイント。巨大マウントの周りをぐるぐる回って(わーっドーナツ!と叫ぶ女子大生たち)、それからほとんど直滑降でマウントを降りる。車を止めてこちらを撮影するギャラリーがいるので、期待にこたえて大騒ぎしてみる。
後でギャラリーに合流するとデジカメ写真を送ってあげるといわれ、大喜びで覚えやすいhotmailのアドレスを教える。しかーし!帰ってきた日にうっかり迷惑メールを全部消してしまった。無理に消さなくても数日で勝手に消えるのに、hotmail容量2MB時代の癖がぬけない。登録したメールアドレス以外みんな迷惑メールに振り分けられるので、おじさんのメールが入っていた可能性大。がびーん。一応夕日を見るのもツアーに含まれているようだが、まだ日没まで時間があるので、少し時間オーバーするけれど、といってまた違うトレイルの入り口まで連れて行ってくれた。いい人だなー。夕日を眺めるスポットにはさっきのギャラリーの人々や恋人同士も来ている。恋人同士なんてワイングラスで白ワインまで飲んでいるのである。おしゃれだけど寒そう。夕日に照らされて赤土の山肌が赤銅色に輝いている。 寒くなってきたので、日没を待たずに戻ることになる。 ホテルはトレイルのすぐ近くなのでこっそり頼んでホテルまで送ってもらう。これでタクシー代が浮いて7ドルぐらいの倹約。降り際にチップを1ドル上げて大いに喜ばれる。こんなに喜んでもらうと申し訳ないなーと思うドル安円高な夕暮れ。帰ってくると会議は終わっていて、数人が出かけていった。夫も一緒にでかけたのだろうか。今日は買い物なので夕食は調達しようと思っていたのだが、なぜだか(笑)忙しくてチャンスがなく、またもホテルのレストランで食べる。今日はマヒマヒの照り焼き。中華風の味付けでオイスターマッシュルーム(って、舞茸かな)と茹でた青梗菜とチャーハン風のご飯が添えられている。おいしい!白のグラスワインを一杯。レストランのスタッフは毎日違う。数社でワークシェアリングしているのだろうかと思うぐらい接客の雰囲気も違う。食後に頼んだカプチーノも、初日に飲んだものとは全然違う容器に入ってきたし。 夫は夜遅く戻ってきた。会議のあとでやはり食事に出かけたらしい。お約束で「お土産は?」と聞いてみると、「これならあるよ」と言って欠けたフォーチュンクッキーが出てきた。西部に来てまで中華。
|