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夫は、朝3時に目を覚まし、そのまま仕事をしている。要は時差ぼけなのだが、夫の場合昼間の会議の時間さえ覚醒していればいいので、無理に時差をとる必要もない。私は昼間遊んでいるだけだし、一緒になって21時に寝て翌朝3時におきるという、生鮮市場関係者のような生活リズム。それにしてもこの人、年々「組織の仕事」で指数関数的に忙しくなっている。グラフでいうとまだ上昇の途中なのか天井のほうなのかよくわからないけれど、以前は明け方目を覚ますと旅行のときの楽しみに持ってきていた本などを読んでいたのだが、最近はそんな余裕もないらしい。 そのまま朝になって、夫は会議へ。今日は午後から学会全体のレクリエーションになっていて、まず野山をジープで駆け抜けるというツアーに参加して、夜は食事会。午前中の会議と食事から2時に戻ってくるというので、それまで私はホテルの敷地内を散歩したり、新聞を読んだり。ホテルの庭は9ホールのショートコースになっていて、鴨が泳ぐ池があったり、柳が植わっていたり、美しい。遺伝的なアルコール依存からくる躁うつ病をもつアメフトの人気選手が、ドラッグを使って選手生命を絶たれただけでなく、中米に逃れて強盗容疑で警官に撃たれて重体に陥ったという事件が最近あったらしく、ベンチに座ってそれについての特集記事を読む。辞書を引き引きなのでなかなか読み終わらない。おなかがすいたのでレストランで昼食。ここのホテルは人里離れていて、近くにレストランもスーパーもないのだが、ここのレストランがおいしいので助かる。クラブハウスサンドを食べて、半分お持ち帰り(明日の朝食)。 夫と合流して集合場所で待っていると、続々とピンク色に塗られたジープが十数台やってきた。適当に分乗して、セドナの町を西に抜けてジープが野山を走り回ってもいい場所へ行く。われわれの車の運転手兼ガイドの初老の男性は、もともと国有林(と書くと植林しているみたいだが、要は国定公園の林版)のレンジャーをしていて、退職して週に2日こうしてツアーの仕事をしているのだという。轍がまたいい感じのでこぼこ感を作り出していて、ドライバーは轍を回避したり、水溜りを静々と進んだり、自由自在にジープを操っている。ジープツアーはいくつかの会社がやっているが、どこも闇雲に走るのではなく、走り回ると同時に自然保護にも力を入れているという。同乗者はアメリカ人女性、スウェーデン男性、ゲルマン系の男性、(あとからわかったが)日本人男性と、私たち。みんな顔は楽しそうなのだが、「ひゃほーーっ」とか「わーっ!」とか騒ぐわけではなく、お互いに話をしたりするでもない。職業柄淡々とそれぞれに楽しんでいて、夫の学会についてくるといつも思うことだが、ノリが悪い。さすがに傾斜何十度という高低差がある場所では、楽しげな悲鳴が上下のジープから聞こえてくる。 途中で山頂の景色のよいところで小休止してまた山道を下り、今度は舗装された道をすいすい走って町に戻ってくる。占めて2時間半のコース。このほかに時間のない人用によい景色だけ見る短時間のコースがあるらしく、そっちに行った人もいるがお勧めはこちらのほうだという。堪能。しかし、夫はジープにがたがた揺られながら少し居眠りしてしまう。よほど眠いらしい。平和時のジープ行軍で何よりだ。 戻ってきて部屋で一休みしてから食事会。他の人と話す気力もないらしく、さっさと二人席を見つけてそこに陣取る夫。食事はあまりチョイスのないビュッフェ形式だったがおいしかった。アメリカの当局の担当者のスピーチと表彰といくつか連絡事項があって終わり。みんなカジュアルな服装だが、きちんとスーツを着たダンディなイタリア人がいて、唸る。ワイングラス片手に外に出て行くさまもかっこいい。われわれは星を見ながら早々に部屋に戻る。 参考サイト: pink jeep tour http://www.pinkjeep.com/
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