WELLA DiaryINDEX|past|will
昼間帝劇で上演中のミス・サイゴンへ。夫の知り合いが、チケットを購入した後でいけなくなったというので、いただいたものである。ミス・サイゴンは、卒業旅行でアメリカに行ったとき、ニューヨークで見たことがある。歌詞がさっぱりわからなかったので、不気味にヘリコプターが舞い降りてきて、群集が騒ぐ中、再び飛び立っていった記憶ぐらいしかない。 出演者が誰なのかさっぱりわからないまま(調べようとしないまま)、会場へ。年齢層も客層もさまざまだが、ほぼ満席である。いただいたチケットは中央前列で、チケットを購入した人はずいぶん楽しみにしていたんだろうな、と思う。今日は知念里奈がヒロイン役。開演に先立って主演男優の声で携帯電話の電源を切るようにとのアナウンスが流れる。お客さんもそそくさと携帯電話を取り出して電源を切っている。なるほど、ウグイス嬢のアナウンスよりずっと効き目がある。今日の主演の橋本さとしという俳優は初めて見たが、演技も歌も上手い人だった。知念里奈のキムは、ベトナム戦争によって両親を殺され、村が全滅して娼婦に身を落としたはかなくもたくましいベトナムの少女という雰囲気がよく出ていて、アメリカンドリームを夢見て日夜画策する橋本さとしの悲哀を帯びた軽薄さとよくあっていた。主なキャストはそれぞれ3〜5人ぐらいでローテーションを組んでいて、日によって組み合わせがぜんぜん違う。えーと、何通りになる??演ずる側にとっては新鮮なのかやりにくいのかどちらになるんだろう。 最近のミュージカルは、マイクをつけるのが当たり前なのだろうか。はじめの頃音量が大きすぎで、参ったなと思っていたが、演技者にマイクが見当たらない。持っていた双眼鏡(バードウォッチング用。オペラグラスにあらず)で見てみると、肌や髪の色に合わせた色のマッチ棒のようなピンマイクを前頭部につけている。骨伝導?最近のワイアレスマイクはますます小さく精度よくなっているのだな。それに比べるとテレビのピンマイクはどうしてあいかわらずあんなにかさばっているのか。主題の重さと悲しい結末にもかかわらず、さわやかな雰囲気で終わったのは、カーテンコールの演出のよさだろうか。気分よく会場を出た。 終演後、お茶をしようと思っていたが小腹がすいた。ビッ○カメラ地下の中華料理店でシュウマイでも食べようと思ったら、「まことに勝手ながら本日の営業は終了いたしました」と看板が出ていた。本当に勝手である。しかたがないので、ちょうど通りがかった無料巡回バスに乗って、丸の内の新名所丸の内OazOへ。ここは、旧国鉄本社があった場所である。JRの駅ビル展開を考えると、東京駅のまん前に何ものも生み出さない建物があったのかと今では考えられない無駄遣いである。親方日の丸の象徴のような場所だったのだ。 まずはカレーうどんの古奈屋で腹ごしらえ。もともとこの店は巣鴨の地蔵通りの行列が出来る店らしいのだが、最近話題になるビルにはかたっぱしから入っているような気がする。辛いものは苦手な私だが一度は食べてみたいと思っていたのだ。メニューはカレーうどんとカレーぞうすいを中心に、えび天やもちなどのトッピングがあるシンプルなメニュー構成。これなら多店舗展開にしてもあまり味が落ちることはないのかもしれない。などと考えながら行列で待つこと20分ほど。えび天カレーうどんを頼む。スパイシー&クリーミーといううたい文句そのままである。麺もえび天もそれぞれちゃんとしていて、おいしかった。 さて、OazOといえば丸善である。丸善も最近業績が落ちているが、ここで思い切って国内最大級の店舗展開ということでとりあえず一番上の洋書フロアから見る。子供の本も充実していて、在日外国人の子供などが夢中になって本に見入っていた。これだけネット書店が発達していても、やはり手にとって見られるということは大きいのか。どのフロアも驚くほど人が入っていた。書棚の上に明朝体ででかでかとそのジャンルが表示してあるのもフォントのデザインより実用性重視という感じで、親切だと思う。サブカルチャーの書棚も充実。西原理恵子の「毎日かあさん」もサブカルチャーの棚に。うーん。西原はサブカルチャーかもしれないけれど、毎日新聞連載漫画がサブカルチャーか。 ひとしきり見たので、甘いものでもと思ったが、めぼしい店はぜんぜん席がなかったり、お持ち帰りの店しかなかったり。丸ビルまで行ってスターバックスに入ろうとしたが、満席。おとなしく帰宅することにする。 今日はお茶に恵まれない日だった。
|