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今日こそ、朝食時にお弁当を作ろうと意欲満々でレストランへ。はじめからお弁当に適した食材を虎視眈々と探してしまうので、挙動不審。昨日おいてあった薄切りのサーモンは今朝は出ていなくて残念。やはり毎日同時品揃えというわけではないのだ。韓国の団体客らしい中年夫妻がいて、微妙に男尊女卑というか妻が夫を立てている雰囲気。同胞が現れると、妻のほうはすっと席を立ってお辞儀をしていた。儒教の影響なのだろうか、中年以上の韓国女性は礼儀正しい気がする。 駅はホテルのすぐ近くで昨日下見もしたので、スムーズに電車に乗り込む。そういえば、街中にマクドナルドの店があふれている。ついでバーガーキングがよく見かけられて。セブンイレブンも多い。スターバックスやサブウェイは見つからなかった。10時半の西行きの電車に乗る。最終目的地はベルゲン(Begen)、フィヨルド観光の拠点となるところである。予約してある列車に乗り込もうとすると私たちの席がある車両には、くまちゃんの顔のマーク入りだった。他の車両はほぼ満員なのに、この車両はガラガラ。しかも車両の中ほどには分別用の大きなゴミ箱、さらにその向こうには檻のようなカラフルな箱と二段ベッドのような棚がある。一瞬動物用か?と思ったが、よくよく見ると子供用の備え付けの遊具だった。下の段を覗いてみると木製の小さなキッチンセットがある。びっくり。だが、こりゃぁいいや。子どもは座席だろうが遊び場だろうが、お構いなくキャーキャー遊ぶものである。だったらはじめから遊び場を設置しておけばいいではないか。遊具で幸せそうに遊ぶ子どもたちを見るのは幸せなものである。コロンブスの卵というか、これぞ先進国である。この手の遊び場はこのあとも、ノルウェー、スウェーデンの空港の待合ゲートや駅などで見かけた。 さて、列車はそぼ降る雨の中、西へ向かってひた走る。途中で持ってきたハムチーズ入りのパンを食べる。お弁当箱はもちろんこの間機内で出たサンドイッチが入っていた容器である。早くもこんなところで役に立つとは。トイレにたつと、ほんとうにこの車両以外は超満員で、ひとつとなりの車両はイギリス人の団体客だろうか、アングロサクソン系の人々が大きな身体を窮屈そうに折り曲げて狭いシートにぎゅうづめに座って談笑している。談笑というよりは議論だろうか。にこやかに白熱している。席に戻ってうとうとと眠る。ふと気づくと山の中である。とある駅につくと冬装備をした観光客がわさわさと降りている様子がわかった。外を見てみると夏とは思えない寒々しい風景が広がっている。うわーすごいとこきちゃった。http://www.bt.no/kamera/english/article87010;jsessionid=2OT0YKOKCFOO5COZXZDSFFAFinseという駅だった。沿線上最高地(海抜1222M)だという。http://www.bt.no/kamera/kart.jhtml?articleID=24451&sted=Finse ここからかなり本格的な山行をするんだろうなぁ。上り詰めたらあとは下るだけということで、どんどんスピードを上げて列車は走る。遠くの山の頂に万年雪が見える。おおー万年雪だーと喜んでいたら、さらに分厚くせりだしてくる白い雪のような塊が見えてきた。曇天の下青く光る部分もある。氷河だ。列車の中から氷河が見えるなんて夫は大興奮である。デジカメを片手に右側の窓に陣取ってみたり、左側の窓に駆け寄ってみたりしている。他の車両から私は私で旧式のデジカメを持っているが旧式ゆえバッテリー切れでなくなくあきらめる。 列車は夕方6時前に終点へ。駅からホテルまでは1Km強あるらしい。他の乗客たちはさっさと三々五々散っていった。夫が重い荷物を持って歩きたくないというので、路線バスを探すが上手く見つからず、タクシーに乗ってホテルへ。行く途中何台もバスとすれ違う。波止場近くのホテルの前には大きなバスの停留所があった。部屋に荷物を入れて食事がてらぶらりと散歩に出てみる。時間は7時前。客で混雑しているシーフードの店に入る。店内は満席だというので、テラス席にする。大きな暖房器具が入っている。長袖を着ていても寒い。二人とも前菜にフィッシュスープ、夫はメインにサーモン、私は鯨肉のステーキにする。鯨肉は小学校1年の給食で出た時に食べたのが最後か。別に好きではないが、郷愁とやや反発とで食べてみる。鯨だ。他のテーブルにアジア人のカップルが座っていてロブスターを食べている。メニューを見ると1尾5000円ぐらいするらしい。ひゅぅ。大雨が降ってきた。 入り口を見ると大行列。しかもやっと席にありついた客に、店側が「これから1時間お料理でませんけど、いいですか」とか言っている。9時からパーティーが入っているので、その間厨房が使えないのだという。魚料理が食べたいなら、他の店を紹介するなどと言っている。のんきというか、ひとがいいというか。私たちは運がいい時に店に入ったらしい。テラス席のひさしから雨が降りこんでくる。席をずれて雨をしのいで、小ぶりになるのを待って走って帰った。
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