WELLA
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2004年07月31日(土) バイト用語@フランス料理店

以前夫と偶然入ったフランス料理店。
赤坂の目抜き通りにありながら全然客が入ってなくて、接客もオーナーシェフ自らがこなしていた。おいおい、大丈夫かよと思っていたら、値段も安く、今日の一押しの料理を熱心に紹介してくれる。味は絶品だし、なによりフランス料理が好きっ!という作り手の気持ちが伝わってくるようで、大満足だった。ときおり「お料理はいかがでしょうか」と顔を出してきてくれるので、感想なり質問なりを述べると、即座に答えが返ってくるだけでなく、なぜその組み合わせにしたかとかなぜその調理法にしたのか、というようなことを話してくれて、薀蓄とはまた違ってなるほどと興味深かった。
今回2ヶ月ぶりに行ってみたら、若いウェイターとウェイトレスが各1名入っていた。店の雰囲気も少し華やいだようで感じが変わったなと思っていたのだが、この若い二人の接客が、もうどっぷりファミレス式なのである。初めにウェイターからメニューを渡される。プリフィックスのコースメニューで前菜と主菜の肉を料理を選べるのだが、今日のお薦めは何かと聞いても、これこれのコースがお薦めですとしか言わない。そうじゃなくて、個々の料理で今日は特に何がいいのかが知りたいのだというと、前菜はフォアグラの何とかで、主菜はフォアグラの何とかがですと言ってきた。両方ともフォアグラというのも解せない話なので、シェフを呼んできてもらうように頼む。その間に夫が「高いものばかり薦めてきたね」と苦笑している。ここのレストランは古式ゆかしく(笑)、女性用のメニューには値段が書いていないのだが、夫の方のメニューでは、彼が勧めてきた料理はいずれもプラス料金になっていたらしい。ほどなくしてやってきたシェフが言うには、最近オマール海老を使った料理に力を入れているのでオマール海老、それからイベリコ豚と、若軍鶏を使ったものがおいしいという話だったので、迷わずそれらを頼む。客が高いものを頼めばその分店の収益は上がるわけだから、若いウェイターとしてはそれなりに店に対する忠誠心が高かったのだろう。
途中でウェイターは帰り、主にウェイトレスが接客してくれた。素直そうでかわいい女の子だが、言葉使いは当然「でよろしかったでしょうか」「こちらのほう、何々になります」、と明らかに食べ終わっているのにバイト用語てんこ盛りである。「お皿のほう、お下げしてよろしいでしょうか」といちいち聞いてくる。この人きっと、ファミレスでは接客の基本をきっちりと身につけた優秀な店員さんだったんだろうなぁと勝手に彼女の前職まで想像してしまった。いちいち口うるさく注意するのもなんだし、一生懸命接客していることは確かだし、なんとなく違和感の残るまま彼女の接客ペースで食事を終えた。
お料理は期待通り全ておいしかった。また行きたい。


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