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曽我ひとみさんの再会問題に関して釈然としないことを3つあげる。 1.口さがない人々 仕事帰りのバスの中で、初老のご婦人二人の会話。 「今日はテレビ、きっと、あの話ばっかりだよね、曽我…」 「みんな言ってるよ、とんでもない金使って、みんな税金で、ふざけるなって。たった一人のためにあんな大げさな」 「北朝鮮だって、どうせ金で動いてんでしょ、冗談じゃないよ」 「日本の政府が情けないよ」 「村山がちゃんとやっとけばよかったんだよ」 「でも、かわいそうだよね、曽我さんて人、お母さんも拉致されて、行方がわからないんでしょ」 「きっと…(以下自粛)」 人は、他人が幸せになったり優遇されることが許せないのだろうか。かわいそうな人はいつまでもかわいそうな境遇にいることを望んでいるのだろうか。 2.北朝鮮側 家に帰ってから、テレビで報道特集を見た。平壌の空港での日朝高官同士の会見の様子が放映されていた。北朝鮮側が「ジェンキンス氏は北京での再会を望んだが、日本側の希望を入れてジャカルタに行くことにした」といい、日本側が「日本の要求を容れてくださってありがとうございます」と答え、さらに北朝鮮側の協力に対して最大限の感謝の辞を述べている。日本側はなぜあそこまでへこへこしなければいけないのか。他国民を拉致した上に、謝罪も補償もせず、恩着せがましく飛行機までチャーターさせる国。盗人猛々しいと怒りさえ覚える。 3.ジェンキンス氏 テレビで映し出されたジェンキンス氏は、当初報道で伝えられたよりずっと元気そうだ。隆としたダブルのスーツ姿でくつろいだ様子で米国製タバコを口にくわえる。米国製のタバコは特権階級の人々にしか手に入らないのだという。氏は朝鮮語をほとんど話せず英語で日常生活を送っているらしい。この国で生きていくために必死で朝鮮語を覚えたという日本人の拉致被害者の様子とはあまりに違う。特権階級として米国製タバコを日常的に吸い、嗜好も服装も米国式の生活が保障されていると推察される氏は、本人の意図せざることだったとしても、結局のところ兵士としては祖国を裏切りながら、超大国米国の出身であるという特性を最大限に有効活用しているように思える。
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