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たっぷりと眠って遅めの朝食にする。 天気がいいので、窓の外を見てみると案の定丹沢の端っこが見えるので、朝のうちに私達が屋上、と呼んでいるマンション上部にある日照権に配慮してできた空間を利用した展望スペースに行くことにする。私達の部屋は南に面していて、引っ越してきたときはベランダに出れば富士山が望めたのだが、それから1年も経たないうちに西側に十階建てのマンションが建って、富士山と夕日が拝めなくなった。富士山を見るには、管理人室で鍵を借りてこうして上っていかなければならない。 展望スペースは露天なので、外出するのと同じ重装備で白い息を吐きながら外に出る。期待通り空気が澄んでいて遠くまで見渡せる。北東の方角に2本角を出したような筑波山も見える。筑波山を見るたびにガマという言葉を連想していると、山それ自体がもっさりとしたガマガエルに見えてくる。北西の方角にうっすらと秩父連山、富士山は真っ白に雪化粧して、上方にかかる雲がまだらに影を落としている。東に新宿の高層ビル群、南東に六本木ヒルズ、その向こうにお台場のフジテレビ社屋。ビルのシンボルでもある銀色の球体が午前中の陽を浴びてギラギラと光っている。 眼下に目を落とすと、普段の生活の場である。以前は珍しがって何度もこの展望スペースに足を運んだが、最近はすっかり存在を忘れていて、最後にここに来たのはもう1年以上前かも知れない。その頃に比べるとだいぶこの辺りの地理に明るくなってきたので、ああ、あれがこの間散歩に出かけたあたり、あそこをバスが走っていてどこそこに出る、などということもわかるようになって面白い。家の前の幹線道路は災害時にも機能するように沿線の住宅の不燃化を進めていて、古い木造家屋はまとめて立ちのきになって、次々とマンションに建て変わっている。今日も新たに更地の部分が増えているのを見つけた。 部屋に戻ってきて、年賀状の印刷に取り掛かる。うちにあるプリンターは、結婚した時に買った旧式のもので、デジカメ画像などの高画質に耐えるものではないので、Wordの図形描画機能を使って円形をいくつか組み合わせてサルとバナナを描き、新春の挨拶とそれぞれの連絡先を入れて終わり。年に1度しか使わないのでインクも固まっているらしく、マニュアル片手に何度かクリーニングをするが、去年に引き続き黒色は出ないらしい。黒色部分を濃紺で代用したりして、思うような色がなかなか出るまで時間がかかったが、途中で軽く昼食を済ませたり他の作業もしながらだましだまし印刷を終える。 夕飯は、ラーメンを食べに行く。今日見つけた新しい更地は、今にもつぶれそうだった八百屋とそれに連なる住宅だった。そういえば近所にあった今にもつぶれそうな豆腐屋はどうしただろうと思って探してみたが、豆腐屋もすでに見当たらなかった。
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