WELLA
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2003年11月01日(土) 長い1日目始まる。

飛行機の中では映画なども楽しむ。時々居眠りも。食事もおいしい〜。兄はアメリカ出張が多いのだが、いつでも新嘉坡航空を使っている。なるほどこれはいいや。飛行機はさすがに満席である。結婚してからは海外旅行はほとんど夫が隣に座っているので、よその人が至近距離に長時間座っていると落ち着かない。
右隣に座っているのはちょっとピントのずれた中年男性、左に座っているのは「がんばれワカゾー」みたいな大学生である。これから1〜2週間ぐらい旅行をするらしく、ノートの切れ端に、旅程を書き込んでいる。大学生の方はちょっとしたきっかけで彼の反対側の20代半ばの女性と言葉を交わすようになり、妙に盛り上がっている。おお、がんばれがんばれ。しかしながら彼はなぜか間が悪く、食事や入国管理票が配られるタイミングでいつも席をはずしてもらい損ねてしまう。そのたびに乗務員のアイキャッチするために、きょろきょろして、あせっている。乗務員呼び出しボタンを押せば済む話だと思うのだが、旅行なれしている風を装っている彼にはちょっと言い出せない。
飛行機は定刻よりやや遅れて到着。将来有望な若者はちゃんと迎えに来てくれていた。私の来訪に間に合うようにここ数日がんばって納品を済ませてきたといい、ちょっとへろへろ。タクシーで直接ホテルに向かい、とって食うわけじゃないから部屋にお入り、といって部屋に招きいれ、持参の寿司などを渡す。とりあえずお茶を入れたら、いきなりその場で食べ始め、あっという間に寿司を平らげる。思考力が鈍っているらしくそのまままったりしてしまうのだが、なんとなく追い立てて3時半に彼は帰っていった。
6時間後の9時半に迎えに来てもらい、まずは中華街へ。中華街といっても人口の何割かが中華系なので、あまり中華中華したものは置いていない。母が中国系の書にも手を伸ばしていて、中国風の雅印をいくつか買ってきて欲しいと頼まれていたのだ。結局、まず母親の買い物をしてしまう私って。
雅印を探して、中華街をうろうろ。何気なく入ったみやげ物やの店主が実は篆刻をする人ですっかり盛り上がり、2つばかり彫ってもらうことにする。そのほかにも途中で1つ彫ってもらったものがあるので、出来上がりを待つ間中国茶のティールームに入りしばしまったり。本格的な中国茶というのは初めて楽しんだ。初め1〜2杯はいいが、そのうち大きな器でごくごく飲みたくなってくる。お茶を飲んでいる間に日差しが強烈になっていて、よろよろしながら店に戻る。出来上がりを見てみると妙に大きい。これじゃ大きすぎるといって彫りなおしてもらい、しばらく待つ。それから飲茶へ。ここは地元の人がたくさんくるところらしく、大繁盛している。4時過ぎまで飲み食いしておなか一杯である。そのうちに何を思ったか、彼が「ぼく、気が利かないらしいんですよ」と言い出す。「うん、知ってるよ」と答えると「何で知ってんですかーーーーっ!?」とびっくりしていた。そういうところが気が利かないゆえんだな。
店を出てから動きはじめるが、観光するにもお茶を飲むにもおなかが一杯で苦しい。タクシーに乗ってショッピング街に行くがもうホテルに帰って一休みしたい気分である。彼はせっかくの週末なのでもう少し遊びたいらしいが、彼は飲めないし、かといってビリヤードするでもないし、とりあえずホテルに戻ることにする。途中で日系のデパートに入っている大型の日系書店の前を通る。どうも彼はそこに寄りたいらしい。「れいこなさん、疲れましたか」と聞いてくるので、「うん、たくさん歩いたし、荷物も持ってくれないしさ。」と答えると、「ああああ〜持ちます持ちます。」といって持ってくれた。もって一言「何でこんなに重いんですか〜!?」と驚く彼。感情の起伏が激しい人である。だって、雅印が4つも入ってるし、土産物屋でちゃちな民族衣装も買ったし、ガイドブックも入ってるし…と説明し始めると、「もういいです(涙)。」とうなだれる。
彼は本を2冊ばかり買い、ホテルに戻ってお茶にする。なんの躊躇もなく部屋に入る将来有望な若者。お茶を入れてくれたり、一生懸命気を使ってくれて、結局9時ぐらいまでうだうだと部屋にいた。彼を送り出した後即行着替えてベッドにもぐりこむ。電話の音で目が覚めると、"奴"だった。時間を見ると10時。部屋を出てからホテルのロビーを通ったらジャズの弾き語りをやっていたのでラウンジで飲んでいるらしい。まだ寝てなかったら来ませんか、というので、5分後に行く、といってまた着替えて下へ。少し飲んでいるうちにこちらは元気になってくるが、アルコールに弱い彼はだんだんへろへろになっていく。11時過ぎにお開き。ホテル入り口で彼と別れ、そういえば夫がそろそろ着く時間だと思って、ロビーで待ってみる。が、飛行機到着時間を1時間以上経っても現れないので、あきらめて部屋に戻る。どうせ部屋番号はメールしてあるので翌朝連絡が来るだろう。ああー長い1日だった。


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