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仕事の帰りにターミナル駅から始発のバス後部に乗り込んでぐったりしていたら、窓の外をテッテケテーと前方に走り抜ける幼女がいて、その後ろから赤ちゃんを前抱っこして小走りに追いかけてきた母親らしき人と一緒に同じバスに乗って来た。彼女達はそのまま私の後ろの席に座り、「あー暑いねぇ」と言い合ってる。 すぐにバスが走り出して人心地ついたのか、幼女がうにゃうにゃ話し始める。 娘「ねぇ、ママー、今日のご飯何食べるの?」 母「さかなよ」 娘「さかな?ねぇ、なにざかな?」 母「タラ。」 娘「たらぁ?たらってー、ねぇ、ぴーしゃら、ぴーしゃらって食べるの?たら。」 なぬ?と思って聞き耳を立てると(最近多いなこのパターン…)「♪ぴーしゃら、ぴーしゃら、たったたららー、ぴーしゃら、ぴーしゃら、たったたららー」とちびまるこちゃんの節をつけて歌い始めた。鱈でそこまで飛躍するかねぇ。その後も彼女の独り言ともつかないおしゃべりは続く。 娘「あああー。あとで晩ご飯のときまたこっそり食べようと思ったのにぃ、これじゃ全然こっそりじゃないよぉ〜」 振り返りたい衝動をこらえて、後ろの気配に耳をそばだてる。そのうち絵本を読み始めた。ひらがなは一応一通り読めて、でもカタカナや拗音撥音は今ひとつ、というレベルらしく、母親に時々読み方を尋ねている。 娘「ねぇねぇ、これなんて読むの?カタカナ読んでるみたいよ、あたし」 母「カタカナの上にひらがなが振ってあるでしょう、それ読めばいいのよ」 娘「あ、そう。じゃあさ、例えばこのクってあるじゃない、これは「く」「ク」って2回ずつ読まなきゃなんない…」 またしばらくして 娘「ねぇねぇ、この『こ』と『ろ』の間にちいちゃい『つ』があるの、これなんて読むの?」 聞かれていないのに私も考える『こ』『っ』『ろ』、『こっろ』??? 母「『とろっこ』よ」 あーそうか、右からとか左からとか考えないのね。文字は記号だから。彼女が読んでいるのは働く乗り物が出てくる絵本らしい。 娘「ねぇねぇ、『し』にてんてんと、ちっちゃい『よ』とでなんて読むの?」 母「『じょせつしゃ』」 娘「ああ〜ん、全部読んじゃだめー。ここだけ読み方教えて」 母「じゃあ、『じょ』」 娘「…『じょせつしゃ』。全部読めた」 娘「…か・も・つ・れっ・しゃ。『かもつれっしゃ』!ねえ、『かもつれっしゃ』だって。かっこいいねぇ、ほら『かもつれっしゃ』」 娘「ねぇねぇ、これは?『き』とちっちゃい『よ』」 母「『きょ』」 娘「『きょ』。きょうみしんしんのきょ。」 なんでこんな子が興味津々なんて言葉を知っているのだろう。幼児の言語ユニバース、奥がが深い。まだまだ聞いていたいと思ったが時間切れ、残念。
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