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2003年07月23日(水) 「ご主人様いらっしゃいますか」

先週割と家にいる時間が長かったので、うっかりセールスの電話など出てしまったのだが、一つは元の勤め先で現ローン返済口である銀行、もう一つは投資用マンション。
銀行のほうは、その数日前に借り換えを勧めるダイレクトメールを送ってきていて、週末にローン説明会をするのでどうぞおいでください、と書いてあったのだがすっかり放置してあった。ちなみにうちからその支店までは公共交通機関はなく、歩いていくと30分かかる。うちは比較的ローンの利率が低いときに借り入れをしているし、おかげさまで順調に繰り上げ返済できているので、余計な手数料を払ったり、さらに借り換えの条件となる、銀行にとって「基盤」と呼ばれる五大振替とか給与口を、不便な立地の支店に変えるつもりもない。ということを一通り説明すると、「それでは今のところあまり借り換えにご興味はないということですね。」と声のいい男性行員は低音の甘い声でいった。
「いや…ていうかね、今私がお話したような内容は、お宅様のコンピュータに全て情報が入っているわけですよ。電話かける前に顧客情報データベース調べないと、無駄な手間と時間ばかりかかってもったいないでしょ?」と説教臭いことを言うと、「すみません、ローン残高しか調べていませんでした」と白状し、「どうもありがとうございました」と言いながら電話が切れた。ダイレクトメール代だけで100円ぐらいのコストがかかり、ここでまた電話代が30円ぐらいかかっているのだ。その分を利息にまわしてほしいものだ。
そして、投資用マンションのほうは「○○大学ご出身の方にお電話もうしあげております」とかいって、都心部の住宅地にできる1ルームマンションのオーナーになり、月々のローン返済額と同じぐらいの家賃で賃貸にださないかというもの。興味がないわけではないのでこの際聞いてみようと思い、「今はいいですけど、30年、40年たって老朽化したらどうするんですか?」というと相手は絶句した。そして受話器越しに『老朽化したらどうするかって…』という小声が聞こえて担当者が変わってひとしきり説明を受ける。とりあえずパンフを送ると言って電話は終わった。
それにしても気に障るのは両方とも「ご主人様にご相談いただいて」とか、「ご主人様のご意見は」とかいう。家の資産を仕切ってるのは私だといっても結局最後は「ご主人様」じゃないとおさまらないらしい。そのことを日ごろお世話になっている年上の男性に話したところ、その方の配偶者様も非常にそれを嫌ってて、いつもその手の電話にはお怒りらしい。さらにいうと「奥様でいらっしゃいますか?」と聞かれるのも大嫌いで、そう聞かれると「いいえ、留守のものでございます」とかとぼけちゃうのだという。
まあそのお宅は都内でも有数の一等地なので、それでも違和感はないのだが、さすがである。私もそう言ってみたいものである。

「手伝いのものでございます。奥様は世界一周旅行においでで、お戻りは半年後になります」とかね。


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