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というわけで、平日格安パックを利用して夫を連れ出し温泉へ。宿と電車がセットになって、午後半休と翌日午前半休をあわせると一泊温泉旅行が実現するというお手軽パックである。夕方近くの踊り子号に乗って日暮れ前に湯河原へ。そこからさらにバスを乗り継いで20分ほどで奥湯河原温泉に着く。宿は格安パックに利用されるだけあって質素。昭和初期に建てられたという宿の階段をぎしぎしと上る。壁にはシミ、床の間にはくたびれた花が無造作に活けられ、全体的に「行き届いてな〜い」感じ。もっとも日常を離れるための旅行だからこれでいい。このうらぶれた雰囲気が郷愁をそそるのだ。部屋は池のある中庭に面していて、ざあざあと小さな噴水から水音が聞こえてくる。窓を開けて車の音もサイレンも聞こえないのは久しぶりである。ぶんぶんとうるさいばかりでちっとも冷えないエアコンを消して、網戸にして外気を楽しむ。 温泉は男女それぞれに野天風呂と大浴場。このタイプの旅館にありがちな男尊女卑のつくりなので、男性向けのほうが野天風呂、大浴場ともに圧倒的に豪華で広い。しかし今どきそれでは女性客が呼べないので、6時から9時までのゴールデンタイムは野天風呂は男女用とも女性専用。どうせ、男性団体客は宴会場で大騒ぎなのでかまわないのだ(当然かまう人もいるが)。 日がまだ沈まないうちに早速野天風呂へ。カナカナカナとひぐらしが鳴いている。上を見上げるとまだ青空が残る。竹やぶからさやさやと葉を揺らすひんやりとした風がここちよい。野天風呂の脇には細い滝が流れ、マイナスイオン放出中という感じである。隣の女湯は狭いし、滝にも面していない。これじゃ女性客はこないよな。すっかりくつろいで部屋へ戻ると食事の用意がされている。食事は…まあ、格安パックの宿だからこんなものかという感じ。やたらと皿数ばかりが多いハッタリ温泉風料理という感じである。無駄に豪華風にしてあるが、味も今ひとつ。でも自分(達)で配膳も後片付けもせずにすむんだから、文句はない。冷蔵庫からビールを出して、二人で中ビンと小ビンを1一本ずつ空けたらすっかり眠くなってしまった。酔いが覚めたらまたお風呂に行こう、などといいながら私はそこで沈没。夫は夕方は入れなかった野天風呂を一人で楽しんできたそうだ。夜は滝がライトアップされてきれいだという話を朦朧としながら聞く。夫も風呂上り早々に眠ってしまったらしい。 早く寝付いたので夜中に目がさめる。隣の部屋は若者らしく宴会の続きをしている。明け方近くまで話し声はやまず。さすがにあんな元気はないなぁなどと思いながら一人でおきだして屋内の浴場へ。せっまー。とことん女湯は小さいのであった。 一眠りして朝食前に再び温泉へ。ミンミンゼミが鳴き始める。期待しないで正解な朝食。朝食時間を一番遅い時間帯に設定したので、食事の後は比較的忙しい。手早く身支度してチェックアウト。バス停ひとつ分はなれたところにある滝まで歩いていく。途中で沢蟹を見かけたりアゲハチョウを見かけたり。道路沿いに流れる川の水面がきらきらと美しい。滝自体は15mほどの小規模のものだが、さすがに涼しい。ここでもマイナスイオンをたっぷり浴びる。脇の茶店で氷いちご。んー。贅沢である。温泉街をぶらぶらとして、途中でペットボトルのお茶を買ったり、冷房の効いた建物の中で休んだり。駅前のみやげ物やで干物とちくわを買って帰宅。
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