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2001年06月02日(土) 食材を慈しむ

料理の手際のよさというと、とかくぱっぱと手を動かして早く仕上げることのように思いがちである。しかし限られた時間内に急いで作ろうとすると、どうしても乱雑になるし、台所も散らかったり汚れたりする。

先日、永平寺に関するテレビ番組で調理場の様子がでてきた。曹洞宗の本山である永平寺はまた、精進料理の根源でもある。祖である道元は「食」というものを重要視し,そのため永平寺では毎日の食事も修行の一環であり決められた作法がある。食事が修行ならば調理もまた修行である。調理担当の僧たちは簡素な台所に立ち、粛々と食事の支度をすすめる。その動作は決して早くはないが無駄もない。皮をむくものは形にそって皮をむき、静かに包丁を入れて、静かに炊いていく。その姿からは、食材を敬い慈しんでいる様子が伝わってくる。

さてわが身と比べてみるとまったくなっとらん、ということになる。がちゃがちゃやっているので食材を無駄にすることも多い。食材の命をいただいている、ということにもっと感謝の念をもたなければならないと思った。そうすればおのずともう少し丁寧に食材を扱うようになるだろう。


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