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これといってぱーっと気晴らしをする手段をもたない我々夫婦は、今日のように冷めたい雨がそぼ降る日曜日などは散歩にも買い物にも出る気がせず、それぞれPCに向かったり本を読んだりしていたのだが、夕方からついに重い腰をあげて食事を兼ねて出かけることにした。といってもあまり遠出をする気分ではなく、せいぜい新宿に出るか、バス一本でいける辺りである。少し迷った後、駅のそばに○I○IがあるJR中央線のとある駅付近にバスで行くことにした。 この駅は電車では何度も通っているが、実際に降りて町を歩いたことはほとんどない。ターミナル駅だけあってさすがに大きい。雨が降り始めたこともあって、目的地である終点についたときにはすっかり暗くなっていた。傘を持たずに出たので、とりあえずアーケードのある商店街を小走りに目指す。まだ会社を興す前の「ぴあ」の社長が、この商店街の案内マップを作ったのがタウン情報誌の始まりだという話をどこかで聞いたことがある。それほどここの商店街は充実していて、それを核にして縦横に飲食店が軒を連ねている。「ビラ配り、客引き禁止」と書かれた看板が散見され、風俗店の数の多さが知れる。 この沿線は早くから駅前が街として開けていたので、空襲で燃え残ったか否かで街の様子はがらりと変わる。ここも例に漏れず道を挟んで反対側は大きなビルが立ち並ぶ整然とした区画となっているが、こっちは木造の家屋が残る込み入った路地になっている。土地勘のないままにぶらぶらと歩き回ると、突然袋小路のような路地裏に出た。まるで「場末」のイメージで作って下さい、といわれて組み立てたスタジオセットのような空間である。 肝心の夕食はお好み焼きにしようかパスタにしようかはたまた南欧風のこじゃれた店に入ろうか、迷いつつうろうろして、結局「場末」を少し離れたところにある、牛タンの専門店に腰を落ち着けた。あれこれ頼んでビールを飲んで1時間ほど。再びバスに乗って20分ほどでするすると帰る。なかなか面白そうな街だった。今度は昼間行って見ようと思う。
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