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仕事帰りにもんじゃ焼を食べにいった。 5時過ぎに築地を出て隅田川を渡って月島に行く。20分も歩けばいわゆる月島「もんじゃストリート」である。目的の店に入ったのが5時半。一番のりである。 もんじゃ焼きをつつきながら、いつの間にかこんなにメジャーな食べ物になったのかねぇ、などと感慨にふける。今でこそ羽田空港でも「東京の味・もんじゃ焼きセット」などという東京土産が売られるほど知名度が高くなったが、昔は下町のローカルな食べ物で、もんじゃ焼と聞いても「なにそれ?」という反応が多かった。 かくいう私がはじめてもんじゃ焼を食べたのはもう十数年前、下町出身のゼミの先生に他のゼミ生達と一緒に連れられて行ったのが初体験だ。あの頃は月島を通る地下鉄はまだ開通していなくて、東銀座の東急ホテルで待ち合わせてタクシーに乗って月島に乗り付けた記憶がある。 あの頃から人気のあるもんじゃ焼き屋は行列が出来ていたのだが、「もんじゃは月島に限る!」と熱くもんじゃについて語る先生に、厳しくもんじゃ焼の作り方から食べ方のお作法まで仕込まれたものである。というか、振舞い方を知らないと野暮天に見られるような雰囲気が、あの頃のもんじゃ焼屋にはあったような気がする。 地下鉄の開通とともにもんじゃ焼が雑誌などに取り上げられてブームとなり、雨後の筍のようにもんじゃ焼店が増えた。人気の店は席数も多く、支店もあり、予約すら受け付けるようになったが、あの当時はもんじゃを食べにわざわざ月島に行くというのはなんとなく「通(つう)」のような晴れがましい気分でもあったのだ。
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