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NEOさんとこで、紀ノ国屋のイギリスパンの話が出ていた。ちょうど今、我が家にこのパンが一斤半ある。「高級」とは銘打ってないが、この前の日曜日、地下鉄の駅二つ先まで散歩に行った時に買ってきたのだ。 というと、ぬ?reikonaさんてば青山の近くに住んでるの?渋谷?赤坂?六本木?てなことになるが、買ったのははるか遠く、行くとお惣菜の他についついゴルフシューズやらブランドの靴やらバッグやらを買ってしまうという、あのCMでおなじみのディスカウント系スーパーである(ヒント「五輪」。分かるって…)。なぜかパン売り場の最前列に通常価格の半額で売っていたのだ。よそのスーパーのパンをわざわざ売るスーパー、プライドはないのか? 二斤買ってさっそく次の日の朝トーストにして食べた。固めできめが粗くてちょっと塩味の勝る味である。耳や皮が固くて独特の香りがある。トーストにすると山形パンの丁度上の丸い部分の皮がバリバリと割れて、食べたとき口の中がちょっと痛い。パン屑も豪快に出る。すごくおいしい、とは思わないが私にとっては郷愁のある、懐かしい味である。幼い頃、つまり自分の家の常識がユニバースだと信じていた頃、うちで買うパンはいつも紀ノ国屋のイギリスパンだった。たまにホットドッグパンとかロールパンの時もあったが、いわゆる四角い「食パン」は食べたことがなかった。そりゃ、給食のパンもお口に合わなくてカビるはずだよな。 別に食通を気取っていたわけではないが、その当時は他においしいパンがあまりにもなかったし、父はいつも車で仕事に行っていたので買いに行きやすかったのだろう。青山の本店ではなく目黒通り沿いにある等々力の店によく行っていたようである。ブルーチーズやセロリ、レバーペーストなど、その当時にしてはちょっと珍しい食材も紀ノ国屋で買ってくる定番だった。そのうち他のスーパーでもそれなりにおいしいパンや食材が簡単に手に入るようになってから紀ノ国屋で買うことは少なくなった。 ところで、紀ノ国屋に限らず普通に山型のパンを「イギリスパン」とか“English Bread”と呼ぶが、あの実体は何なんだろうか。イギリスでは朝食にトーストが出るのだが、これが全然山型じゃなくていわゆるサンドイッチのパンみたいな薄いパンである。たいていカリカリにかなり濃い焦げ目がついていてすでに冷えている。分厚つく切った山型パンにたっぷり塗ったパターが溶けて垂れてくるような熱々のトーストのイメージっていうのは、一体なんなんだろう?それからよく日本の喫茶店で出てくるEnglish Muffin。あれもカリカリに焼いてたっぷりバターを塗って食べると飛び切りおいしいが、私の目が節穴だったのかあれもイギリスでお目にかかったことがない。イギリスで見かけないイギリスパンとイングリッシュマフィン、一体どうなっているんだっ。
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