WELLA
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1998年01月13日(火) 雪・ゆき・ユキ

先日所用があって東京方面に行ってきました。ええ、大雪が降った翌日です。
当初の予定では朝一番の飛行機で東京に行くことなっていました。前の晩から関東地方は大雪だと聞いていたので、心配はしていたのですが、当日6時に起きてテレビをつけて見ると案の定関東地方の交通はガタガタでした。
空の便も壊滅的で、午前中の便は40〜50本欠航ということで、小松発の一便も欠航です。天気はその頃にはすでに回復し始めていたので、これは羽田空港の問題というよりは飛行機のやり繰りがつかないためのようでした。つまり前の晩の小松着の最終便が欠航したのだと思われます。小松は自衛隊が基地を作るくらいですから雪の影響が少なく、羽田もその時間にはかなり除雪が進むはずでしょう。

朝一番で航空会社に電話して、二便に変更することができました。東京からの到着が遅れたため、小松発も15分程遅れたものの道中はスムーズで、結局は定刻通りに羽田着でした。ええ、文字通り「飛ばした」んでしょうね。

羽田行きのの空のルートは何通りかあるようですが、その日は小松から名古屋に向かい、浜松上空を経由して伊豆から木更津上空を回って羽田に入るというルートでした。
なんとかと煙は高いところが好き、といいますが、私は上から景色を眺めるのが好きで、飛行機ではできるだけ窓際の席をとります。
翼の上あたりの左側の席でしたが、雪が降ったためか空気が澄んでいて、飛行機の窓からふと横を見ると、日本アルプスの山々の向こうに一際高くて白い富士山の頭がのぞいています。こんなにも綺麗に富士山が見えたのは初めてです。
名古屋から左に旋回したあとは、今度は太平洋の向こうで雲の上にそびえる富士山がくっきりと見えます。
父に似て私も富士山には並々ならぬ愛着をもっていますが、雪のおかげで思わぬ至福の時をもったことでした。

飛行機はその後も順調に飛び続け、ちょうど富士山が真横に見えた時に伊豆半島通過、その後三浦半島を越え、木更津上空で再度旋回します。
飛行機の窓から見える地形はまさに地図通りで、機内誌の巻末の地図と首っ引きです。京浜工業地帯のコンビナートが煙を吐き、東京湾には細かく白い波頭がたっています。房総半島にはところどころゴルフ場があり、雪をのせた枯れたグリーンが見てとれます。対岸には横浜のランドマークタワー、横浜ベイブリッジが望めます。

羽田空港に入り周囲を見てみると、確かに雪がありました。
が、雪国歴3年の私の感覚からすると大したことないな、というのが正直なところで、たったこれだけの雪で交通がマヒし、大勢のケガ人が出たのか、といぶかしく思えます。
でも、考えてみればこちらは雪が降れば一日中除雪車が稼働しているし、道路には融雪装置がついてるし、車はとっくにスノータイヤにしてあるし、靴も滑べり止めつきだし、つまり、そういう対策があれば大したことがないけど、備えがないと悲惨なことになるってことですな。
カラ雪の北陸から来た我々のほうが、東京で雪に苦しんでいる人達より重装備で歩いているというのも不思議な情景でしたが、東京の人達は軽装でしたね。特に足回り。あれじゃぁ転びますよって人が多かったように思います。


一年おきぐらいに大雪で首都圏がマヒしたり、 怪我人が出てる気がするんですけどねぇ。まあそれだけのことのために、人も交通機関も大がかりな設備投資はできない、ということなのでしょう。だったら、いっそ大喪の礼の時のように全部休みにしちゃったらどうでしょうね。およそ700日にせいぜい1日か2日なのだから、休んでも大したことないと思うんですが。
…いや、気まぐれで言ってみただけですけど。

東京の雪はこちらに戻る時にも残っていました。
今度は羽田を発って、多摩川沿いに北上し、飯能、八が岳、松本上空を抜けて小松に向かうルート。これは天候がいい時しか通らないようですが、最短距離だと思います。今度は白山が見事に見えました。
小松上空の雲が厚かったのか、高度を下げるためにずいぶん沖まで旋回したようでしたが、日本海の向こうに厚い雲があり、その上にぐっと盛り上がった白山がそれはそれは雄壮な姿を見せてくれたのでした。


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