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ここに住んで丸2年が過ぎた。 これから我が家となる団地の駐車場に降り立った時、針葉樹の香りがした。高原に来たみたいだ、と思った。 車で買物にでかけた。一番近くのスーパーでも4キロはある。 私がここに来た秋は、半径10キロ圏内に駐車台数2500なんていう大規模なスーパーが立て続けにオープンした時で、その巨大な駐車場も初日は30分待ちだったとかいう話だった。 おかげでその年の県内の流通業界の売上は過去最高になった。他に楽しみがないのか、と思った。 品揃えはどこも、品数はあるけれどセンスや品質がどうも… という感じで、全体に安いけど変なものが割高だと思った。 休みごとにDIYショップや大手スーパーをハシゴしては、家の中を整えていった。へぇ、どこも駐車場がタダなのね、と思った。 東京に帰った時、買物にでかけた。歩いて買物に行けるのがうれしかった。品物を選ぶために店を見比べられるのもうれしかった。 ここだったら、またダーっと車を走らせるか妥協するかないからね。(あ、買わないっていうチョイスもあるか) 都心のデパートに行った。「なんだ、買う物あるじゃない!」 とにかく、ちょいと気のきいた小物を買い込んではギュウギュウ宅○便で送った。おかげで北陸−東京間のクロネコの料金とサイズ、重さの関係はバッチリ頭の中に刻み込まれた。 東京に帰ったときは必ず洋菓子を食べる。 お菓子を洋菓子、和菓子で考えたら、さすが金沢。和菓子はおいしいと思う。でも、ケーキの類は一体…。 おいしいケーキ屋さんはどこにあるのか、さがす気力もない。あとパンもね。 さんざん街を出歩いて、買い物をしてこっちに戻って来る。空港に降り立つとすでに、人影まばら。窓からみえる山々と空が目に染みる。あたしの帰る家はあの山の方なのね…。 途中でスーパーによって食糧の買いだし。お刺身を買って帰る。やっぱり、こっちのお刺身はおいしい。安いし。夫は実家に帰った時に、 「東京の刺身なんざ、ちゃんちゃらおかしくて喰えねぃや」 という主旨の宣言をしたらしいけど、同じだけお金を出すなら、この辺じゃもっといいものが食べられる。 魚介類だけじゃなくて肉や野菜もそう。 そうして東京とこっちを行ったり来たりしていた頃、あるとき東京の店員の態度に違和感が…。 「ありがとうございます」といいながら、そっぽを向いている。しかも銀座にある老舗といわれるデパートである。あ〜ら、びっくり。やるべきことは、きちんとやってる。手もテキパキと動いてる。でもやる気がないのか、誠意が感じられない。 この辺の店員さんは、一言でいうなら「気はきかないけど、親切」である。なんだかバタバタと動いているわりに、仕事は捗らない。でも、親切である。 スーパーのレジでも人の目を見て応対する。別にマニュアルに書いてあるから、そうしているわけでもないだろう。品物のありかを聞くと、仕事の手を休めて売場まで案内してくれる。時々、聞いた方が先に見つけてしまうこともあるが、わからなくても一生懸命である。暇だからでしょってアナタ、それをいっちゃあオシマイである。 東京の店員のそっけない態度は、自分が気にしなかっただけで、きっと前からそうだったんだろうけど、ちょっとショックだった。 そうはいってもCD買うのも服を買うのも髪を切るのも未だに東京。 「東京、東京ってそんなに東京がいいかねぇ」といわれても、仕方がない。 「あたしは、ハイヒールはいてアスファルトの上をカツカツ歩きたいのよっ」と言って、その分こっちでヒンシュクを買った。
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