WELLA
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1997年09月17日(水) 台風のかげで

以前、生活感のない女についてのエッセイを読んだことがある。
知合いに生活感のない女がいて、どの位生活感がないかというと、毎日会社帰りにフィットネスクラブに通っている。つまり自宅でお風呂に入る必要がない。そこで自宅マンションの浴室を温室にしてしまった。なるほど生活感がない、アッパレであるという話である。
それはさておき、台風が接近しつつあるというので、我が家でもベランダの植物たちを取り込む必要が出てきた。
前回の台風の時は、畳にピクニック用のシートを敷いて、その上に鉢をのせたのだが、やはりあまり気持ちのいいものではない。第一、水やりの度に底から水が洩れてくるのでは厄介である。
ふと思い立って今回は、浴槽に蓋をして、その上に鉢物を載せることにした。
ずばり「生活感のない主婦」である。

そんなことをして困らないのか。あんたんとこはフィットネスクラブなんて洒落たものはないだろう、との心配はご無用である。
ご承知の通りこの辺にはフィットネスクラブこそないものの、温泉ならば町にひとつはある。総湯ってんですか?共同浴場みたいなの。自治体がやってるのだと、いわゆる複合施設で図書館や公民館と一緒になってて、入浴料は高くても300円。ちなみにうちの町の場合は町民用回数券があって、一回150円である。


さらに言うと、我が家の浴槽は小さい。座棺のように小さい。
湯舟に浸かっていると死体の気持ちがしみじみわかる気がする。だから家ではもっぱらシャワーばかり。あとは温泉通いである。浴槽が使えなくても困らない。
お、そのあたりから既に生活感がないな。

浴槽の上に植物が密集しているところは、なかなか壮観である。しかも、置いてみて初めてわかったのだが、大きなメリットがあった。
水やりが格段にラクである。
今までは水を入れた容器を持って、流しとベランダを何往復もしていたのだが、浴室なら上からシャワーで水をかけておしまいである。なんとよくしたものであるか。
陽こそ当らないものの、湿気は十分にあるので2〜3日留守する時も便利だろう。

ふふふ。こうして書いていても笑いがこみ上げて来るわい。

ところで、これを書いている時点で台風は金沢の北東部を通っているはずなのだが、一向にそれらしい雰囲気がない。
気象条件の違いだろうか、台風にも相手にされてないみたいでちょっと寂しい。


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