WELLA
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1997年06月14日(土) ほーたるこ〜い

蛍の季節になりました。
といっても実際見たわけではないので、正確にはなったらしいということですが。そう、私の住んでいる辺りは蛍がいます。えっへん。人工的な自然が増えたといっても、*自然的な*自然はまだまだ残っているので、まだまだ蛍を楽しむことができます。
去年私は野性の蛍を生まれて初めて見ました。生まれて初めて見たといえば、海に沈む夕日もそうです。いやー、あれは驚きでした。大体子供の頃から日の出は海から、日の入りは富士山方面と相場が決まっていましたから。そういえば小学校6年生の国語の宿題で、私は
「夕焼けや 影絵のような 富士の山」
という俳句を作って先生に「面白みがない」といわれた実績もあります。季語もないので俳句とはいえませんが、ま、たしかに面白くもなんともないですね。
「夕焼けや 日の出のような 日本海」
だったら驚くよな。とりあえず…。
ところで蛍ですが、聞いた話によると蛍には営業時間があって大体夜8時〜10時がピークだそうです。もっとも蛍の種類によって、出張る期間と営業時間は若干ずれるらしいのですが。まあ、どんなに頑張って一人すばらしい輝きを放っていても、まわりに仲間がいなければナンパも不首尾に終ろうというものです。
というわけで人間も蛍の営業時間に合わせて出かけることになります。目指すは暗がりで、きれいな水がちょろちょろと流れているようなところです。噂ではクリスマスツリーのイルミネーションのように蛍がたくさん木に止まってるっていうじゃありませんか。わくわく。

去年は蛍スポットとして名高いところに車で行きました。
ところが、すぐ近くで治水工事が始まったせいか、期待したほどではありません。一応「うわぁ〜」なんて感嘆の声をだしてみたりしたんですが、とても蛍ツリーなどといえる代物ではなく、早々に帰ってきてしまいました。世の中甘くないのね…、あ〜あ、がっかり。がっかりしつつもはたと思いたって家の裏手の方へいってみると…、
「う、うわーっ!!」
いました、蛍。田んぼの上にも、用水にも、木の上にも…。
人の気配がすると一瞬光りが弱まるのですが、息を潜めてじっと待っていると、ふわ〜ん、ふわ〜んと光りが増えていきます。聴こえるのはせせらぎだけ。音のない世界。まさに幻想的。ああ、うっとり。
私たちはずいぶん長い時間そこに立ちつくしていたのでした。

さー今年もそろそろ出掛けるとしよう。いくつの蛍スポットが生き残ったかな?


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