いつもの日記

2001年12月17日(月) 2002年において僕達がすべき事 vol.2

前回の話のつづきになるが、世界中が協力して、
環境問題に取り組んでいくのと歩調を合わせるように、
国単位でも環境問題に取り組む動きが目立ち始めた。

太陽電池や風力発電が注目を浴び、火力発電はのけ者にされた。

「すごいぞ。火力発電。すごいなぁ。火力発電」

と言っていた人達も、手の平を返すように太陽と風力に肩入れし、火力をけなして、
どんどんと火力発電は収縮していった。

そのような状況の元で、
遠いところからわざわざ僕の処までやって来てくれた火力発電1号機は、

「教えてください。僕達はこれからどうしたらいいですか?どうなるんでしょうか?」

と、息も絶え絶え叫んでいたが、僕は、

 「時代の流れです。致し方ありますまい。」

と言って、天狗で一緒にジントニックを17杯飲まなくてはいけなかった。


僕はとても火力は好きなのだが、このご時世で、この時代の流れからいって、
火力を肯定してしまうのはあまりにもバツが悪すぎた。
僕にできることなど、火力が好きなジントニックに付き合うくらいなのだ。


それから1週間後、僕は朝刊で 「火力発電1号機閉鎖」 を知った。

僕は、かじっていた食パンをテーブルに落として、突っ伏して泣いてしまった。
子供の頃泣いたように「えんえん」と。

「お父さん。どうしたの?何か悲しいことでもあったの?ねえ、どうしたの?」

4歳になったばかりの娘の声が耳元で聞こえた。

「大丈夫だよ。ただね、お父さんの大切なお友達の火が消えたんだ。でも、消えただけだよ」

右に座っていた妻も涙を浮かべていた。


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