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壱カ月昨日明日


2005年12月14日(水) 御褒美つきのかなしみ

寒い。今週になってからずっと寒い。寒いのはもう飽きた。今頃から飽きてしまって、この先どうするんだろう。
ストーブの前で、小さくちぢこまる日々。

すぐへたりこみそうになる弱気な自分を叱咤激励しつつ、どうにかこうにか過ごしておりました。ここ数日のこと。

横なぐりの冷たい雨が降る日曜日、なんばHatchで大貫妙子のライブを観た。『ピュア・アコースティック・クリスマス2005』、というやつ。ライブ前に久々に飲んだハイネケンは、相変わらずまずかった。
大貫妙子は、自分でデザインしたというシックな黒のワンピースで出てきて、細いというより薄かった。感情をこめずに歌うところが好きだ。それと、いつも毅然としているところも。
『突然の贈り物』をやってくれるかなあ、と期待してたらやっぱり歌ってくれた。そりゃ歌うよな。良かったです。
『いつだって、嘘だけはいやなの』

先週、出張で東京へ行った。日帰りで。行って、会議に出て、ちょっと怒られて、謝って、どうでもいいことを話して、愛想笑いして、帰ってきただけ。

『エロス+虐殺』のDVDを買った。未公開ロングバージョン編。3時間半ある。いつ観るんだろう。
大杉栄と伊藤野枝が桜の下で話をするシーンが好きなので、そこを何べんか観た。
『あ、今、桜が目の中に映って散ったわ。』

マンガレリの『おわりの雪』には、たいへん感動して、どうしようかと思った。これを今まで読まなかったとは暢気すぎた。バカである。続けて『しずかに流れるみどりの川』も買って読んだ。

その他、本はたくさん読んだ。
古本はあんまり仕入れられなかったなあ、めぐり合わせが悪かった。野田宇太郎『詩人と詩集』(沖積社)を天牛で買った。500円だった。
バルト目当てで、『文学界』の1月号を衝動買いしてしまった。『studio voice』のワールド・ミュージック特集も。でもまだほとんど読んでない。

来年の3月で任期が終るので、町内会の次期班長を決めなければならなくて、隣近所に頼んでまわるが、次々断られる。きっぱりと。したくないッ、と言ってバシッとドアを閉められたりなどする。アホか、と思う。
最後の望みと、一番話の通じそうなJさん(推定年齢65歳)に伏し拝むようにしてお願いする。この辺りの人はみな個性的やからなあ、などと渋られる。個性的どころの騒ぎでないと思うが黙っておく。手伝うことがあったらしますから、と、なんとか押し付け、一件落着。3月といわず、一刻も早くやめたい。

この2年間、班長というのをやってみて、わたしは完全に、大阪のおばちゃんの心のつかみ方を習得した。おばちゃんと円滑なコミュニケーションを図らせたらわたしの右にでるものはいない、たぶん。これは自慢である。自慢話だ。
そんなものはなんの役にも立たないけれど、自分は役に立たないものばかりで作られてきたんだし、これからもそういうもので作られていくのだと思う。

まあ、こんな感じ。

ここまできたんだからもういいだろう、という気持ちと、ここまできたからこそ行き着くところまでいこう、という気持ちが、ずっと拮抗していて、今は後者がやや優位に立っている。今のところは。これからは知らない。
もうすこしだけでいいから、信じられるなにかがあればなあ。



フクダ |MAIL

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