昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
午前中にせっせと荷造りして、午後から実家へ帰る。荷造りといっても別に家出するというわけではなくて、コートなど冬物の洋服を家に置いておくと手狭になるので実家へ移動させるというだけのことなのだが。
ついでに、父親には頼まれていた野球のチケット、母親には成瀬巳喜男のビデオを持っていく。 チケットを渡したら、父は顔をほころばせて喜んでいた。阪神はこのところ負けてばっかりだねえ、と私が言うと父は、勝っても負けてもいいやないか、負ける日もあれば勝つ日もあるさ、などとホトケさんのようなことを言っていた。昔の父は、阪神が負けた翌日は新聞のスポーツ面を読めないようにホッチキスで止めたりして母によく怒られていたもんだが、よくぞここまで大人になったものだ。エライぞ。
晩ご飯をご馳走になって、キュウリの漬物とオクラとりんごジャム、月桂冠のお酒をもらう。 それから実家に置きざりになっていた集英社の「世界の文学第12巻・ドイツ・中欧・東欧・イタリア」を持って帰ることにする。当時はまだ単行本化されてなかったクンデラの「存在の耐えられない軽さ」を読むために、大学の時に大枚はたいて買った全集の端本だ。他にはシュルツ「肉桂樹の店」やゴンブローヴィッチ「フェルディドゥルケ」、モラヴィア「侮蔑」などが読めるし、この「世界の文学」シリーズの中ではこの巻が一番面白いと私は思う。
帰りの荷物の重いこと、重いこと。電車の中では「世界の文学」の中からカフカの「田舎医者」と「流刑地にて」を読む。カフカの小品の中には、ここで終わるのは反則やろ、と思うものもあるけれど、この2編はいつ読んでもゾクゾクするほど上手くて怖い。現実の膜をベラッとめくられた世界。
蒸し暑くて寝苦しい夜。日付がかわる頃雨が降ってきた。
・購入物:なし
・朝食:インゲンと豚肉の炒め物、レタスの中華風サラダ、わかめの味噌汁、ごはん 昼食:ぬき 夕食:実家にて、ラタトゥユのパスタ、鶏の香味揚げ、レタスとパプリカのサラダ、麦酒
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