昨日・今日・明日
壱カ月|昨日|明日
目覚めたらまだ薄暗く、夜が明けていないのかと思ったらもう午前9時前で、ただ曇っているだけだった。お昼前には冷たい雨も降り出して、陰鬱極まりない大晦日。
母の陣頭指揮のもと、お正月のお料理(つまりおせち)をいろいろと作る。毎年同じような肴ばかりであるが、私はおせち料理が好きなので変わりばえしなくても全然かまわない。 今年の白眉は「きょうの料理」で城戸崎愛がやっていた「五目なます」を、母親がテキストにきっちり従って作ったもので、これは目ん玉が飛び出るくらいおいしかった。城戸崎愛が紹介する料理はおいしいものが多い、と思う。 夕方、お正月の食材を大きい紙袋2つ分もらって、大阪へ帰る。
年末の約一週間で読んだ本。 広津桃子「父広津和郎」、ゴーチェ「死者の恋・ポンペイ夜話」、濱田研吾「徳川夢声と出会った」、ナタリア・ギンズブルグ「モンテフェルモの丘の家」、井伏鱒二「集金旅行」。 すべて当たり。中でも「父広津和郎」は2回立て続けに読んだ。当たり中の当たり。
今年初めて読んだ作家の中で、この人と出会えて良かった、としみじみ思うのは広津和郎だ。きっかけは山田稔だった。 山田稔は、『つねに文学を美の側からでなく人生の側から、生活の側からとらえようとする』広津和郎の文学観に深い共感を抱く、と書きそれは『チェーホフから受けていた感動と重なる』、とも言っていて、娘である広津桃子によって書かれた「父広津和郎」の読後感も、まさしくその通りなのだ。 広津和郎によって、自分の読書世界がまた少し、広がった一年であった。
ところで、今年読んだものの中で「目の玉が飛び出る」ほど良かったものは、加藤一雄「無名の南画家」。これに尽きる。読んだ後3時間ほど、茫然自失の状態になった。図書館で借りた本だったのだが、返却したくなくてしばらくずっと持っていて、図書館員に怒られたりもした。 古本屋さんで「無名の南画家」を手に入れること。これも来年の目標のひとつ。
・購入物:なし
・朝食:実家にて(卵焼き、漬物、ほうれん草のおひたし、ご飯) 昼食:実家にて(焼き餅) 夕食:年越しそば(にしんそば)、鯛のお刺身、野菜サラダ、麦酒
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