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壱カ月昨日明日


2003年12月12日(金) 広津和郎

 寒い。マフラーをぐるぐる巻きにして出かける。本日のマフラーは、お金持ちだった頃(そんな頃があったのだ、人に歴史あり)プランテーションで2万円くらいで買ったもの。マフラーに2万円出すなんて、アホだなあ。

 昼休みにNさんが、「この人の書いた小説、読んだことある?」と、立原正秋の文庫本を見せる。読んだことありません、と言うが早いか、「おもしろないねん、もう全然おもしろないねん、腹立つぐらいおもしろないねん。アンタちょっと読んでみてどのように読めばおもしろく思えるのか教えて」と懇願され本を押しつけられたが、読みたくないので会社に置いて帰ってきた。「腹立つくらいおもしろくない」本を貸してもらってもなあ。ただでさえ腹立たしいことだらけの世の中なのに、読書くらいはストレスをためずに楽しみたいわい。

 散らかり放題の部屋に帰りたくないので寄り道をする。ジュンク堂で、昨日中途半端に終わった買い物を少々。トルストイの「文読む月日」は立ち読みしただけで購入は見送り、永井龍男が序文を書いている「明治商売往来」と、声の暗い北中正和の本を買う。この人がやっているラジオ番組はわりと好きでたまに聞くけれど、ホントに声が小さくて暗いのだ。あれはなんでだ?

 その後、通りがかりの古本屋さんで、なんとなんと広津桃子の「父広津和郎」を見つけた。広津和郎ファンの私としては、何としても手に入れたかった本、うれしい。
 帰って早速ひもとく。広津和郎が宇野浩二に言ったと、広津桃子に語った言葉。
 『なにかというと、宇野は腕を組んで俯くんだ。(中略)そんな時、僕は言うんだ。下を向くなよ。困る時は上を向くべきだよ。腕を組んで俯くと、自分の肩の幅しかものが見えなくなってしまう、ってね。』

・購入物:広津桃子「父広津和郎」(中公文庫)古書
     北中正和「増補・にほんのうた」(平凡社ライブラリー)
     仲田定之助「明治商売往来」(ちくま学芸文庫)

・朝食:キムチうどん(昨日のキムチ鍋にうどんをいれた)
 昼食:メロンパン、珈琲
 夕食:外食、めん家にて(野菜かきあげうどん)なんか、うどんばっかり食べた一日。


フクダ |MAIL

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