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壱カ月昨日明日


2003年10月16日(木) 「弔辞大全」

 仕事で、豊中吹田方面へ行く。テクテクと国道を歩いていて、ふと見つけた古本屋さんに入ってみる。好みの品揃えの店ではなかったが、「弔辞大全」の第1巻があった。昨日買ったのは第2巻で、いつか1巻に出会えるといいなあ、と思っていたけれども、こんなに早く見つかるなんて嬉しい。今日の仕事はイヤなことも多々あったけれど、この本との出会いがあったのでちょっと元気が出た。弔辞を読んで元気になるというのも、何だかヘンだけど。
 早速電車の中で、杉山平一の織田作之助への、松居須磨子の島村抱月への、芥川龍之介の夏目漱石への弔辞を読んで、目がウルウル。特に芥川の文章は、漱石のお葬式での一部始終が描写してあるだけで、悲しいとか寂しいといった感情を一切書いていないところが、なんともかんとも切ない。

 帰って夕食の支度。料理をしながら、買ってきた「キル・ビル」のサントラを聴く。アイザック・ヘイズがかっこいい。どういう場面で使われるのかわからないけど、「ウィークエンダー」のテーマ曲が入っていたりして、懐かしい気分になった。
 でも「キル・ビル」って面白いんだろうか。スチールを眺めているだけでは、どうも一抹の不安を抑えがたい。

 「白い巨塔」を見ながら夕食。今んとこ、ちと退屈かな。でもこの教授選のゴタゴタが終わって、財前が教授になってからが面白いので、みなさん、もう少し辛抱して見てみるのですよ。前回中村玉緒がやってた役を、誰が演じるのかがキーポイントだと思う。

 小島信夫「私の作家評伝1」読了。やっぱり徳田秋声と、意外にも有島武郎の章が面白かった。それから読むといつも思うけど、小島信夫の文章って不思議だ。難しい言葉や言い回しは全然使っていないのに、何か読みにくい。ふんふんなるほど、と一頁くらい読んで、ん?で何が言いたかったんだ?、ともう一回読み直す、という箇所が何回かある。でもこの読みにくさが、何かクセになるのよね。これもまた名文というんだろうか。

・購入物:開高健・編「友よ、さらば 弔辞大全1」(新潮文庫)古書
     サントラ「KILL BILL」

・朝食:トースト、春雨のスープ
 昼食:ピロシキ、チーズレーズンパン、野菜ジュース
 夕食:蛸と白ネギの炒め物、冬瓜のスープ、茄子のゴマ和え、ご飯、焼酎


フクダ |MAIL

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