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2003年10月12日(日) 四天王寺の古本市

 曇り空。雨が降りそうで降らない、蒸し暑い一日。扇風機をしまったのは、やはり早計であった。団扇でごまかす。

 午後から、地下鉄にゆられて谷町へ。生國魂神社や口縄坂などを歩いて文学散歩した後、四天王寺の古本市へ行く。本日のメインイベント。四天王寺の古本祭りは、古本探しもさることながら、お寺に響く鐘の音やほのかに香るお線香の匂いが好きで、本探しに疲れたら木陰で休憩しお茶など飲みながら五重塔を眺める、というのがまた楽しい大好きな古本市だ。

 今日の収穫で嬉しかったのはまず、テオ・アンゲロプロスの「こうのとり、たちずさんで」のパンフレット。この映画は「死ぬまでに一度は見たい映画ベストテン」の上位にいつもランクされているのだが、まだ見たことがない。お願いだから早いとこ、アンゲロプロス特集上映をやってほしい。
 それからずっと読みたかった寿岳文章・寿岳しづの「日本の紙・紙漉村旅日記」や、図書館で借りて読んで滅法面白かった広津柳浪「今戸心中」を発見できたこと。広津柳浪は今年初めて読んだ作家の中でも、一、二を争う素晴らしさだった。あの興奮をもう一度、ということで近々のうちに再読しよう。
 休憩を含めても3時間あまり、じっくりめぐって全部で15冊合計3000円のお買い物。みんな面白そうな本ばかりだが、いつ読めるのかはさだかでない。

 四天王寺から天王寺までとろとろ歩いて、晩ご飯を食べてから早めの帰宅。サン・ラーやマイルス・デイビスを聴きながら買ってきた本をひもとく。「美しい暮しの手帖」の 小堀杏奴や内田誠の文章を読んで喜ぶ。
 テレビで少しだけ「ハムナプトラ」を観る。おもんなーい、なんじゃこら。出ている俳優たちが誰一人として魅力のないのに驚いた。よくこんなつまらないものが作れるなあ。

・購入物:「こうのとり、たちずさんで」パンフレット
     「美しい暮しの手帖 第2号」(暮しの手帖社)
     寿岳文章・寿岳しづ「日本の紙・紙漉村旅日記」(講談社文芸文庫)  
     伊藤整「氾濫」「火の鳥」(新潮文庫)「誘惑」(角川文庫)
     安岡章太郎「僕の昭和史1〜3」「軟骨の精神」(講談社文庫)
     広津柳浪「今戸心中 他二編」(岩波文庫)
     長部日出雄「津軽世去れ節」(角川文庫)
     四方田犬彦「日本映画史100年」(集英社新書)
     木津川計「上方の笑い」(講談社現代新書」
     藤谷俊雄「『おかげまいり』と『ええじゃないか』」(岩波新書) 以上すべて古書

・朝食:巻寿司
 昼食:ミルクフランスパン、レモンティ
 夕食:外食、古潭にて、醤油ラーメンと餃子


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