ぽあろの音楽旅日記
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2002年02月08日(金) 第81回 J・シュトラウス2世 喜歌劇「こうもり」序曲

 ヨハン・シュトラウス2世は「ワルツの王」と呼ばれています。父であるヨハン・シュトラウス1世は「ワルツの父」です。それならばヨゼフ・シュトラウスは「ワルツの従兄弟」なのかというと、そうでもないようです。リヒャルト・シュトラウスは「ワルツの他人」ですが、そう呼ぶ人はいません。
 そんなことはさておき、この「こうもり」序曲。優雅、快活、軽快、豪華と、ウインナ・ワルツの世界をたった一曲で示してくれている曲です。核となるワルツは曲中に何度か現れます。そこ以外の部分にまで「ウイーンの香り」が漂ってるんですよね。たいていのウインナ・ワルツ集のCDで、一曲目に入っているのもうなずけます。

☆小澤征爾指揮 ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
 記録的な売上を記録している、「2002ニューイヤー・コンサート」の実況録音盤です。「アダージョ・カラヤン」にも見向きしなかった僕が買ってしまうんだからたいしたもんです。アルバムとして、非常に気に入ったので、他の曲もいずれ触れますが、今回は「こうもり」。以前にも書きましたが、小澤征爾の見せる「余裕」がとっても好きなんです。この演奏にもそんな「余裕」があふれています。もちろん、世界の小澤、お祭り気分に浮かれることなく、どっしり構えた感すらある「こうもり」です。

☆ボスコフスキー指揮 ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団
 もう一枚もウイーン・フィルです。やっぱり、この曲をたとえば「バーンスタイン&NYフィル」で聞いてもしょうがないと思いますよ。乱暴に言えば、この曲から「ウイーンの香り」を取っ払ったら、どうってことない曲だと思いますし。ニューイヤーコンサートの指揮を長年務めた「生粋のウイーンっ子」ボスコフスキーだけに、さすがの名演奏です。この優雅さはなかなか真似できないよなあ。


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