ぽあろの音楽旅日記
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2001年05月09日(水) 第69回 音楽と笑い

 音楽と笑い、僕がこの日記で一番触れたかったことです。小・中・高と吹奏楽に明け暮れ、大学で落語に浸った僕にとっては、音楽も笑いも大きな柱になっています。音楽に笑いあり、笑いに音楽あり。
 音楽家、あるいはミュージシャン(僕には違いがわかりませんが)が「笑い」に挑戦したり、逆にコメディアンが音楽に乗り出したりと、音楽と笑いの垣根はしばしば取り払われています。僕が「尊敬する人物」に必ず挙げる、谷啓はジャズ・トロンボーンのトップ奏者であり、またご存知のようにコメディアンとして歴史に残る存在です。その谷啓が尊敬してやまない、ダニー・ケイもまた、音楽の才能あふれる名コメディアンでした。モーツアルトが音楽の世界で遊び、小室哲也が吉本に入る(笑)。ひょっとしたら、音楽と笑いにはもともと垣根なんてないのかもしれません。

☆TV「デカメロン」 竹中直人&東京スカパラダイスオーケストラ
 結構前に、深夜帯でやってました。いまや大物俳優の竹中直人ですが、彼の本質はコメディアン。そんな彼と、音楽性十分のスカパラが組んで、コントとトークと音楽の番組にチャレンジしていました。竹中直人はコメディアンとしてはなかなかの音楽センスの持ち主、スカパラは音楽集団としてはなかなかの笑いのセンスの持ち主。しかしいざ組んでみると、僕には中途半端に見えちゃいました。竹中直人のお笑いをもっと見たいし、スカパラの音楽をもっと聴きたい、って感じで。そこらへん、むずかしいんですよね。欲張っちゃった感じで。
☆ダニー・ケイ&ニューヨーク・フィルハーモニックのステージ
 以前LD(死語ですね)でみたことがあるんです。ダニー・ケイが名門NYフィルを指揮するステージ。しかも会場はあのカーネギー・ホール。客席には当時の常任指揮者、メータも陣取っています。ダニー・ケイの遊び心が存分に発揮された、たのしいステージでした。演奏中に指揮者がバイオリニストをナンパして見せたり。お客さんもNYフィルの常連客らしく、ダニー・ケイの「メータの物真似」に爆笑してました。もちろん真面目な指揮も披露。最後はきっちりと音楽でしめたあたりはさすがでした。もう一度みたいなあ。
☆谷啓&東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団のステージ
 ダニー・ケイにあやかって芸名をつけた谷啓ですから、当然ダニー・ケイのオーケストラステージは意識してたはずです。幸いライブで観る機会があったのですが、「子供たちのための」ステージだったこともあり、谷啓らしさは半分くらい、といったところでしょうか。「運命」、指揮棒を振り下ろし、「ジャジャジャジャーン」が鳴った瞬間に驚いて逃げ出す場面。あるいは「魔法使いの弟子」で、ディズニーの「ファンタジア」のミッキーを演じる場面などは、見事でしたね。残念なのはそういった「音楽の冗談」が伝わる客層じゃなかったこと。ぜひカーネギーでやらせてあげたかった。


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