ぽあろの音楽旅日記
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2001年04月23日(月) |
第67回 ストラヴィンスキー バレエ「ペトルーシュカ」 |
ストラヴィンスキーの三大バレエ、「ペトルーシュカ」を紹介するのを忘れていました(笑)。正直言って、「火の鳥」「春の祭典」に比べると、僕がこの曲を聞く頻度は低いんです。それは、おそらく「一番つまらない」からではなくて「一番聴きやすい」ことによるのだと思います。僕がストラヴィンスキーを聞きたくなるのは、自分の精神バランスが崩れているときか(笑)、あえてそのバランスを崩してみたいときで(笑)、「ペトルーシュカ」は僕にいわせれば「健全」なのです。 改めて聴いてみると、ストラビンスキーの先取性も確かに見えてくるのですが、それも今となってはスタンダード。音楽の進歩も急激だなと感じます。むしろこの曲を聴き直して驚いたのは、その色彩感の豊かさでした。もともとバレエである以上、そういった華やかさはある程度伴うものなのですが、非常に活き活きしている、元気な曲という一面があるようです。その元気で明るくて健全な世界の中で、まるで埋もれてしまうように主人公の悲劇が描かれているのは、ある意味で怖い音楽ですね。
☆ブーレーズ指揮 クリーヴランド管弦楽団 色彩の豊かさでイチオシです。音がキラキラしているというか、音が踊っているというか。躍動感も強く印象に残った演奏です。さすがブーレーズ、なのでしょうか。 ☆ドラティ指揮 デトロイト管弦楽団 こちらは正統派、という感じです(ブーレーズは「自分が正統」と主張するでしょうけれど)。まったく安心して聞ける、だから僕はこの曲から離れたのかもしれませんね(笑)。
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