ぽあろの音楽旅日記
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2001年03月30日(金) 第59回 ピアソラ 「ブエノスアイレスの冬」

 ブエノスアイレス、アルゼンチンの首都にして「タンゴの聖地」です。日本に住む我々からすれば「地球の裏側」にもあたり、何か特別な雰囲気を思い起こさせる土地です。「タンゴの魔術師」ピアソラはこのブエノスアイレスを舞台に春夏秋冬の四曲を作曲しています。
 その中でおそらく、一番ポピュラーなのは「夏」だと思います。タンゴ独特の「暗い情熱」を活かしきった名曲です。一方、今回ご紹介する「ブエノスアイレスの冬」は静まりかえったブエノスアイレスの町を舞台に、静かに静かに悲しみに耽っていくような、「染み入る」曲です。その点で、僕のお気に入りなんです。

☆アストル・ピアソラ五重奏団
 以前「アディオス・ノニーノ」でご紹介した、小松亮太盤にも収録されていますが、ここはやはりピアソラ自身の演奏を挙げておきます。タンゴに共通して見え隠れする「炎」のようなものが、ここでは暗闇の中のひとすじのローソクの灯りのように、悲しくもあたたかく揺らめいています。


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