ぽあろの音楽旅日記
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2001年03月09日(金) |
第45回 レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」 |
ローマ三部作の紹介もこれで完結です。「ローマの噴水」も、他の二つの交響詩同様、4つの楽章が切れ目なく演奏されます。ローマを代表する4つの噴水の情景がとっても印象的に、美しく紹介されていきます。 ローマ三部作は「松」「祭」、そしてこの「噴水」の三作が、単にテーマを異にするだけでなく、曲の構成からイメージからまったく違ったものとして仕上がっています。その分、聴き手にとっては、それぞれに好みが発生するのですが、三曲まとめて聴いてみると、それはそれで見事にまとまっているんですね。 芸術性の「松」、通俗的な「祭」、そして印象派的な「噴水」、とよく言われるようです。この三本の柱でローマという世界を構築しているんですね。
☆オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団 以前「祭」の聴き比べではあまり目立てなかった(笑)、オーマンディ盤ですが、「噴水」になるとぐんと輝きます。三部作の中でも一番「色気」のある作品ですから、豊麗なフィラデルフィア・サウンドがぴったりはまるんですね。その点で、このオケを引き継いだムーティの盤も素晴らしいです。ただ、あの指揮者好きじゃないのでCD持ってません(笑)。 ☆マゼール指揮 ピッツバーグ交響楽団 マゼール、彼は「指揮者界の立川談志」です(笑)。天才で、融通が利かない。ベルリン・フィルの常任指揮者に選ばれず、怒って「絶縁宣言」し(笑)、当時無名に近いピッツバーグ響に飛び込みました。そしてこのオケを自分の思うように鍛え上げ、素晴らしいサウンドを作り上げたのです。うーん、談志チック。「松」「祭」以上に、この曲では「絢爛豪華」を描き出しています。人智を超えたレベルでの美しさを出すには、狂気(=凶器)に近い天才が求められるんですね(笑)。
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