ぽあろの音楽旅日記
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2001年03月08日(木) |
第44回 リムスキー=コルサコフ 「スペイン奇想曲」 |
スペイン=情熱の国、というイメージがあります。音楽でもビゼーの「カルメン」やラヴェルの「スペイン狂詩曲」、デュカスの「寄港地(3.バレンシア)」のように、華やかな激しさが出されている曲が目立ちます。この「スペイン奇想曲」も同じ路線かもしれませんが、「作曲者がロシア人」という決定的な相違があります。短絡的な発想ですが、コルサコフにとっては、スペインは別世界、夢の国だったのではないでしょうか。そう感じさせる音楽です。 これはチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」でもそうなのですが、「旅人の視点」なんですね。生活とか生き様とかとは無縁、いい意味で表層的。カスタネットなどスペインを感じさせる楽器を織り交ぜながら、ガイドブックのようなスペインを描き出しています。
☆デュトワ指揮 モントリオール交響楽団 ロシア作品も得意としているデュトワですから、安心して聴ける演奏に仕上がっています。それにしてもこのオケはソリストが皆巧いんですよね。巧いというか、綺麗というか。この曲ではバイオリンが頑張っています。全体的に「気楽に構えた」自然体の演奏で、聴いていて気分がいいですね。 ☆小澤征爾指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ うーん、このオケ、素晴らしいんですよね。他の日本のオケは何してきたんだ、って悔しくもなるんですが。この盤では以前紹介した「チャイコフスキー交響曲第4番」とのカップリングです。この組合せはいかがなものか、とも思いますが。「スペイン奇想曲」の演奏は文句なし。全体にラテンの色気を感じさせます。
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